君に恋した0センチ
はるかぜ
プロローグ
初雪の降る日。
俺はあいつに一目惚れをした。
可愛らしい白いコート着ていた高校生ぐらいのやつだ。
俺は今まで数多くの人を見てきたが、一目惚れなんてしたこともなかった。
それと同様に俺はあいつらに選ばれることなくこの場所に居続けている。
そんな俺だったが、あいつだけはきらきらして見えたのだ。
これが一目惚れなのだと実感した。
それと同時にこいつに選ばれたい、選ばれるならこいつだという強い意志がふつふつと湧き上がってきた。
だが、なんせ俺は動くことが出来ないのだ。
つまり、運命に任せなければならないということだ。
そうと分かった俺は、必死に神様に願った。
俺はこいつに選ばれるべき存在なんだ、と。
俺が一目惚れしたあいつは、30分くらいじっくりと見渡した後、一本のシャーペンを手に取った。
それが俺だったのだ。
俺もこの時ばかりは運命を実感した。
それと同時に、俺は人生勝ち組だと本気で思った。
だって、一目惚れしたあいつのそばにいることができるからだ。
そんなわけで、この物語は俺の儚い片思い(今のところ)を描いた物語だ。
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