イケメン神様の為、俺はグルメと結婚相手を只今探索中。ああ…早く御満足していただき神界へお帰りいただきたい!

みゃー

第1話これが神様?!

遥斗の生活は、高校を卒業し大学に進学した事で一変した。


遥斗は、家庭の事情で大学進学が金銭的に苦しかったが、母の兄が継いでいた神社に、その学費と引き換えに養子に入る事になった。


沢山の高層ビルの間に、ポツンとある三五八(さごや)神社がそうだった。


義理の両親となった叔父夫婦は優しく、小さな神社の仕事を大学に行きながらぼつぼつ手伝い、3ヶ月ちょっと程経った。


神社は、小さいながらパワースポットとして有名で参拝客も多い。


全てが順調…


高校生の頃はバイトばかりして余裕が無かったので…


大学も夏休みになった事だし、そろそろかわいい初彼女の一人位欲しいと思う気持ちも湧いてきた。


ファーストキスや、いや、童貞卒業も見えてきた。


遂に自分にも青春と呼べる時が来たのだと、初夏の熱気もあり鼻血が出そうな位ワクワクした。


それに、憧れのネイキッドバイクも、免許を早く取りブイブイいわしたかった。


だが、そんなある7月前半の早朝…


突然、昨日までいなかったのに、神社の木々に蝉が大量発生し、いきなり五月蝿く一斉に鳴き出した。


そして、遥斗は、神職の装束で社務所の掃除中急遽義父に拝殿に呼び出された。


遥斗は義父が先頭で、社務所から続く長い廊下を拝殿に行く。


「今からお会いする御方は御身分の非常に…非常にお高い御方だ…くれぐれもくれぐれも……御無礼の無きように…」


そう遥斗に呟いた義父の背中が緊張し、声が若干震えている…


そして、まだ早朝で涼しい時間帯なのに、恐ろしい程の滝の様な汗…


遥斗はその様子に、又、日本政府の要人でもお忍びで来たのだとてっきり思った


たまに、そう言う事が実際あったからだ


しかし、拝殿の、いつも参拝者のいるはずの下座には誰もいなかった。


その代わり来た遥斗を、拝殿の上座にどっしり座って待っていたのは…


長い金髪で碧眼の、やたら体格の良い若い外人風の男だった。


しかし、外人にしては、日本の古式ゆかしい純白に金の刺繍の入った狩衣に紫の袴を着用していた。


しかも、三五八の神に対して不遜にも足を崩しあぐらをかきながら、肘掛けに肘を付いて大きなあくびをしていた。


しかし…


ふっと…遥斗を見ると、ニヤりと口角を上げて、世にも美しき声で言った。


「貴様が私の世話役の遥斗とやらか?…」


「はっ?!はい?!」


遥斗は、外人風の男の人間離れした美しさに呆然となりながら、言っている意味が分からず戸惑った。


しかしこの後すぐ…


遥斗は義父から、この金髪碧眼イケメンが、三五八神社の神様だと告げられた。














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