第2話逃げることのできない決断後編

考えている間に動きがあった。


血だらけで、倒れている父であった。


ゆっくりと、体を引きずるように立ち上がりこちらに向かってくる。

歩くたびに、血溜まりができ、顔色は土気色になっている、すでに大量の血が失われていたのだろう。


 血だらけの父が近づいてきている事に、自分は気づいていたが行動を起こせずにいた。


 やがて、父は自分の目と鼻の先のところで崩れるように座り込み、傷だらけの手で、ある刀を手に取りこちらにむけ、思いもしてなかったことを口にする。


「某の…、後を継げ、そして陛下と民の未来は託したぞ。」


この刀を取る意味を知っていた、だが選択肢はなかったと自分は思う。そしてこれから起こる修羅の道に逃げられない事を自分は悟らなければならない。


何故、こんな事になってしまったのか?

自分はここに至るまでの事をふと思い出しながら刀を手にするのであった。

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