③竜と私の建国神話

浜中円美

第1話

プロット

◯参考作品(あればで構いません)

『D&D』『ロードス島戦記』『真・女神転生』『マジックザギャザリング』他、各国の御伽噺、神話

(魔法や技能、職業のルールや、モンスター、悪魔の特性など)


◯世界観

 世界的な感染症の広がりと、虚無の海に飲まれ、ヒトの文明は終わりを迎えた。五匹の竜に庇護を受けた人類は、新天地を求めて虚無の海を抜ける。

 虚無の世界においては、ヒトの形を保つことはできず、人魂の姿になっている。何か行動をするときには、透けた体、幽霊の姿を取ることは可能。

 

 ようやく虚無を抜けた先、たどり着いた世界には朝も夜も無く、疫病竜が暴れる荒廃した大地があった。


①空船 サーフ・リーヴァル(黒曜の始祖竜)について

 人類を導く五色の竜・三匹の神竜の父。

 全長 東西2500m(両翼含む)、南北4600m(頭頂から尾まで)

 約11.5㎢。町が丸ごと空を飛んでいる大きさ。

 18977世帯・約40000人の人口。(ここで言うヒトは、幽霊の姿)

 『竜の翼の国』と呼ばれる。人類を絶滅から救った方舟。

(*サイズ比較イメージ 

 世界最大の空母ジョージ・ワシントンが全長333m、最大幅76.8m、5000人の乗船。某スペースコロニーが直径6400m、全長3200m・人口1億5000万人。東京品川区が22.84㎢・人口38万人)


・残りの竜と、それぞれの役割

 >翠玉石の支配竜 フィンブルヴェト・ビュルム

  長兄。全統括。ヒトの中から、己の言葉を解する少女を選び、執政に命じた。

  魔術師の座を統括。

 

 >蒼玉石の賢竜 フレスアルタ・ハルコン

  次男。経済産業を任される。商人の座を統括。


 >紅玉石の破壊竜 ホアンロン・カーネリア

  長女。地上への開拓と防衛。冒険者の座を統括。


 >白銀の永劫竜 エル=エリアナ=エヴェーラ

  母竜。三位一体の分霊。エルは罪を見抜き、エリアナが裁量し、エヴェーラが裁

  く。青銅騎士団を纏め、司法を行う。


②文明と社会の再構築

 人口(ヒト)の比率


 53% 生産階層 商人の座(マーチャントギルド)

 22% 開拓階層 冒険者の座(アドベンチャーズギルド)

 20% 研究階層 魔術師の座(マジシャンズギルド)

  2% 公的職員 聖堂騎士団

  3% 就学児童 学院・研究生


・百識の魔術師による魔法再編

 フィンブルヴェトより、彼の知る魔術を与えられた彼女(百識の魔術師)は、それを誰でも使える技術として再編した。

 それぞれの特性に合わせ、ヒトは上記の職業に割り当てられた。


・魔法の仕組みと、魔法社会

 万物にはマナというエネルギーが宿っており、ヒトはそれを吸い出し、加工して魔法として顕現させることができる。時間という概念が無いため、このマナを封じ込めたものを『マニ』と呼び、通貨として流通させている。純度が高いものから、金貨、銀貨、銅貨。(価値判断は金マニ=10000円、銀マニ=1000円、銅マニ=100円)銅マニにも加工されていない者は白マニまたはマナと呼ばれる(=1円扱い)


 それぞれマナをマニに加工する際に、ヒトそれぞれの個性によって得意不得意がでて、品質が前後する。また、加工できる総量も十人十色。

 取り扱う元素、五行・火水木金土を、火門(火の術についての学派門派)火術(火の魔法)という使い方をする。

 加えて、マニを生成するにあたり個性が出るため、そのまま本人認証にもなる。ギルド証と象徴印をもって、住民票や戸籍謄本、マイナンバー登録もできるくらいの精度。


 マナの加工が上手なヒトは、商人の座、魔術師の座に所属する。得意な門派が一つまたは二つ持つことが一般的。三つ以上もつ者は特に資質が高いとされて魔術の学院にて研究職や専門職、教職に就く。四つ以上は、竜王ら直属・公的職員の聖堂騎士団に招かれ、国の発展に尽力を求められる。


・ギルド証の例

 赤白…靴・鞍・手工業         白(冒険者認識票)

 青……医師・薬師           青(医療従事者)

 赤……塗装・石工・大工・屋根工  + 黄(魔術師・探究者)

 赤黒…鍛冶

 黄……金属加工

 緑……粉挽・食産・服飾 


 上記の旗色の組み合わせに、社章(賄いをイメージするシンボル)を足したもの。

 ギルドに参加しないヒトの場合は社章のかわりに名前やサインを入れる。

 こうしてできた模様を象徴印として、本人を示す。

『例、百合の花に、待ち針で『MANA』緑地に白抜きで刺繍』

 


・冒険者の才能

 加えて、稀に冒険者としての才覚をもつ者もいる。白門と呼ばれ、肉体を強化する技能を持つ。彼らは冒険者の座に入り、地上へ資源を求めて開拓するよう、編成される。


③地上への冒険

 冒険者は飛空艇で地上に降り、資源を持ち帰ることが使命になる。汚染された大地での活動は、どれほど才能がある者でも、三刻(約三時間)が限度。それ以上滞在すると、大地の瘴気に飲まれ、ヒトの姿を失い大地に吸収されてしまう。これは大地のはるか下、奈落に住まう貪欲の王があらゆるものを引き寄せるため。

(この世界の重力に当たる力)

 空船では、黒曜の竜から取れるベースメタルなど金属資源は豊富だが、水源、食料(農業)資源は十分に賄えるものではないため、日々の回収は重要な活動である。


・地上の災禍

 あらゆるものにマナが含まれており、あらゆるものは生きている。木には木の精、石には石の精が宿る。それらをそれぞれの領域を支配する神と、その眷属である神将に加え、その傘下の領民というべき魔物が跋扈する。基本的には百足竜を恐れ隠れているので、国まで形成しているのは僅か。


・神

 いわゆる人が崇めていた神とは姿かたちや名前は近いが、存在意義が異なる。逆に彼らは祈られる、ということが初めて体験するものだったので、そのことが受け入れられるきっかけにもなることだろう。


・モンスター

 多くは野生で、百足竜の毒に適応するため、身体を巨大化させたもの、異種と交わり、特性を取り入れたものなどがいる。また、それぞれに知性を持ち合わせているため、新たに出現した主人公の一行は我々の世界で言う異星人の襲来に近く、警戒されている。新たな要因を持つ生き物でもあるため、好奇心も持たれているようだ。冒険者を派遣するにあたり、百識の魔術師が編纂したものの種類は百種を超え、十段階で危険度を評価されている。


・魔神

 ヒトの記録をたどり、奈落から上がってきた悪魔の総称。マナを吸い出す特性を持つヒトに目を付け、地上に上がってこようと狙っている。

 生命・マナを失ったものは奈落に引き寄せられるため、お馴染みのモンスターに近い生物は見られるが、不死者―アンデッドモンスターは存在しない。


◯主要キャラクター

・百識の魔術師(ラケール)

 支配竜フィンブルヴェト・ビュルムに心酔する、この世界の魔法原理を構築した人間。元々はどこにでもいるギャル女子高生だったため、金サビの髪をサイドポニーにまとめ、ネイルも欠かさない。

「口直しにフィン殿下の新しい写し身でも飾ろうかな。ああ、フィン殿下! ひと時でも、あなた以外に心を赦した私を、どうかお許しください!」



・翠玉石の支配竜 フィンブルヴェト・ビュルム

 人類を庇護するドラゴンの、長兄。種はフォレストドラゴン。知識に対して貪欲な性質を持つ。ユニコーンのような一角に、針葉樹の鱗。支配の権能を持ち、ヒトの可能性、空想を現実にする力――神の写し身の如くの力――に期待して、絶滅から救った。



・眠りの魔術師 キャロライン・キャナル

 虚無より生まれ出た正体不明の魔術師。その容貌は、見たものが『最も美しい』とする女性の姿を取る。基本は金髪をツインテールにまとめた、妖艶な姿。仮にふくよかな女性が好きなものや幼い少女が好きといった特殊性癖のものも、性癖ごと歪められて虜にされてしまう万物魅了の容貌をもつ。夢の世界を支配する。百識の魔術師が倒し方の分からない危険な存在。



・蒼玉石の賢竜 フレスアルタ・ハルコン

 人類を庇護するドラゴンの、次男。種はストームドラゴン。奸智に長けた狡猾な性質を持つ。二対角に、サファイアの鱗、羽毛に覆われている。天候制御の権能を持つ。儲けること、女の子が好き。

 唯一、迷子の女の子を親のところに返せなかったことを気にしている。


    

・商人ギルド総頭取 モンタナ・ファルコン(ハルコン)

 とにかく利益追求第一、女性には必ずアプローチをかける。冒険家としての面も持ち、集めた財宝で商人ギルドで大きな発言を持つようになった。海神の元で実体化したヒトの子ども、キャナルを気にしている。正体は賢竜フレスアルタ・ハルコン。



・紅玉石の破壊竜 ホアンロン・カーネリア

人類を庇護するドラゴンの、長女。種はファイアドラゴン。きわめて凶暴で攻撃的な性質を持つ。獅子のたてがみのような角に、燐昇る紅蓮の鱗を持つ。万物を破壊する権能を持つ。あまり難しいことは考えられないが、バカというわけではない。



・開拓者ギルド総長 コロン

 冒険者ギルドの長を務める、最強の戦士。社交的で食べることが大好き。キャナルに胃袋を掴まれているのか、討伐のはずが自らを『大親友』と揶揄する。金髪碧眼、ショートカット。遠目には美形の戦士に見えないこともない。正体はカーネリア。



闇魔女(シャミー)

 百識の影から作られた魔女。危険な仕事や、お手伝いをさせるための分身。警戒させないために少女の姿をしている。本人は自分が百識の魔術師という自覚はない。




〇ストーリー構成

・全5章構成


 プロローグ

虚無の海に飲まれ、人類の文明は終わりを迎えた。僅かに残された人々は各々の方法で新天地を目指す。その中の、竜の庇護を受けた一団が、汚染されていない新天地に錨を下ろした。


1章

 魔術大系の再編と、システム、組織の構築。生き残った人々の仕事や、社会の復旧に努める。このときに、共に乗っていたと思っていた他の人間は既に肉体を虚無の世界に取り込まれ失っており、思念のみの存在であると知る。


2章

 冒険者の適性を持つ者たちに地上へ向かわせる前に先達し、フィン殿下と共に地上への冒険に出る。森神との交流、百足竜から一番遠くの森へ調査に入ったことが災いする。百足竜すら畏れる森神と、その眷属が二人を迎えた。


3章

 冒険者の座の仕組みと、魔術師の座の構築が完了する。見た目には人の文明が復旧したように見える。同時に、商人の座での、地上資源をめぐってのファルコン(ハルコン)とモラクス商会の争いなど、各部署でいざこざが目立ち始める。


4章

 疫病竜との闘い、一回目。冒険者の座の中で最も優秀なものを選別したが、コテンパンに負けてしまう。あわやというところで、海神とその眷属に命を拾われる。彼らは海の支配者で、地上の出来事には関知しない方針だったが、百識の魔術師らが刺激をしたことで百足竜の被害が海にまで及ばないかを危惧していた。


5章

 幾度もの冒険によるアプローチで、地上に先住する森神とその眷属、海神とその眷属と交流が生まれる。森神、海神の助けと、竜たちの援護で百足竜を地下の奈落に追いやることに成功する。その功績を認められ、元々この世界の人類がいたという遺跡の町に居住を許された。


先の展開

・魔術の発展と、ヒトの文明の終わり

 魔術の発展は百識を超える魔術師を生み出すことになる。

 生命の魔術師は、森神・海神と異種族間なら子を成せる研究を進めた。

 それは種の冒涜であり、争いに発展する。

 千年樹の魔術師は、自らを荒廃の大地に大樹として根付き、その実を食せばヒトに有限の命を取り戻せることができた。

 


・地上の町の成り立ち

 森神、海神と和解し、ヒトは大地に住まうことを許される。

 こうして、疫病竜の去った荒廃の地には『竜鱗騎士団領』として、疫病竜討伐に貢献した英雄に統治され、魔術師の座の本部と魔法を学ぶ学院、司法の裁きの座がおかれた。さらに、海路として東西に港町がおかれ、最南部には開拓の要として、商人の座がおかれた。ここは資源の回収の中心として、『ブラック=ボウ』と名付けられた。


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