第30話 バイト先での鑑定
それから姉に花壇で成長の結界を使ってもらい植物を成長させ、摘み取る。
種用に各種一つづつ残し、それらは種を付けるまで成長させてもらった。 おかげで草むしりが捗らない時でも種に困らない様になった。
部屋に入り、せっせと下級回復薬に変えてしまっておく。
変えた下級回復薬に日付けのラベルを貼る。
一応毎日様子を見て異物がないことを確認せた。
この下級回復薬は今のところ品質に変化は見られない。 どこまで維持できるのかな? もしかしてずっと同じ品質?
不思議アイテムマジ不思議。
お昼前に私が、午後には姉が、それぞれバイトへと出かけた。
「おはようございます」
今日も元気に挨拶をしながら靴を履き替えた。
「おはよう優奈ちゃん、今日はお昼からだったね、混んで来てたから早速頼むよ」
「分かりました」
急いで靴をしまい、エプロンを付け帽子をかぶる。
タイムカードを打刻し、手を洗ってホールへと出た。
ホールはお客様で席が埋まってた。
……これってもしかして鑑定をするチャンス?
にっこりほほ笑む。
これなら何人来てもらってもウェルカムだよ!!
やる気満々でホールに繰り出した。
今いるお客様には注文を受けては鑑定し、料理を運びつつ鑑定し、新しく来たお客様には席に案内しがてら鑑定しと、MPが尽きるまで鑑定をし続けた。
結果職持ちは一人も居なかった。 どれだけ確立低いんだ!!
その結果に一人で愕然とした。
「優奈ちゃんはお祭り行くのかい?」
「お祭りですか?」
お客様の波が引き、テーブルを片づけながら奥さんに話しかけられた。
「そうそう、今週末に確かそこの神社でお祭りが開かれるんだよ」
マスターも夜の混みに対して料理の仕込みをしながら会話に参加してきた。
唐揚げかな? 鳥肉を大きめに切り分けている。
マスターの唐揚げも美味しいんだよね。
「毎年商店街の人たちが張り切ってるから、お友達と行ってくれると嬉しいのだけれどね」
奥さんに言われて、すーちゃんとあーちゃんの顔が思い浮かんだ。
高校が休校になってから、メッセージのやり取りはあるけど遊んだりしてなかったな、と思い出す。
「神社ですね、何時から屋台やってるんですか?」
「確か夕方から……かな?」
「何言ってるんですか。 お昼からやってますよ、あそこのは。 いい年した年寄りが毎年張り切るんですから。 下手したら今年は午前中からやるかもしれないよ、会長今年もぎっくり腰やらかさなきゃいいんですけどね」
奥さんが苦笑交じりでそう話す。
そんなに時間にルーズでいいのか?
「そうだな、去年も会長神輿担いでやらかしてたもんな。 いつまでも気持ちだけは若いからな」
「笑い事ではないですよ。 会長の奥さん、腰やった後もそのまま祭りに参加しようとする会長さんを宥めるの大変だったって言ってたんですから。 悪化したらどうしようって凄く心配してたんですよ」
そうか、そのまま介護になるかもしれないのか。
その後はマスターと奥さんが会長さんの話で盛り上がっていた。
どうやらこの会長さんはイベントが大好きな人で色んなイベントを仕切りたがる人だということが分かった。
セットで奥さんの苦労話も聞かされてしまった、
そして祭りの話はどこかに行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます