第28話 「荒れるサウジ王」

「サウジ王様

ダヴィデの居場所が判明しました。」


「何処にいるのだ?」


「先程までミカ王女が

ダヴィデと会い、彼の潔白を晴らそうと

説得を続けていたようです。」


「ダヴィデの潔白だと?

奴はアブラハ国の王位を奪おうとする逆賊ではないか!

何を今さら潔白を晴らそうと言うのだ?

ミカ王女はいるか?」


「先程戻ってきたようですが、どうやら酷く落胆しているようです。」


「ミカ王女を呼べ!」



「ミカ王女よ!

お前は何をしに、ダヴィデに会いに行ったのだ?

逆賊の者を救おうなど、耳を疑う事を聞いたのだが!」


「父上!

ダヴィデでは逆賊ではありません。

彼は父が王位に在籍している間、決して謀叛を起こすような事はしないでしょう!どうかダヴィデに生きる道を与えて下さい!」


「ミカ王女よ!

お前はダヴィデに心惹かれているから

正しい判断が出来ないのだろう!

ダヴィデでは何処へ行った!奴を捕えるのだ!そうしないと我々王族の一族に居場所が無くなるだろう!」


「父よ!

ダヴィデの行方は分かりません。。」


「もうよい!下がっておれ!

急ぎ、ダヴィデの跡を終え!奴は荒野に入ると巧みに身を隠してしまうだろう!」


「父は本気なのか。。

何とか助けないと!でも恐らく父の手に陥る事はないだろう!私の力も、夢見のセツラがいる限り…」

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