第8話 王太子からの手紙、再び

 それに王太子からの手紙が同封されておった。今回次の言葉は、その冒頭に記されてあった。


が最愛の婚約者たるエリザベトへ』


 そして以下の如く続いておった。


なんじ下僕げぼくたる我は、そなたへの訴えが事実とは、決して信じない。とはいえ、王府にて敵国より帰付を願い出た者がおり、その者が証言しておるのだ。我が父たる国王陛下を始め、王府の者たちを説得するには、反証が必要である。


 是非、敵国の皇子より、これが事実でないとのあかしを得て欲しい。


 信じている』


 そしてしつこくもやはり次の言葉でしめくくられておった。


『我が最愛の婚約者たるエリザベトへ。汝の下僕より至上の愛を込めて』

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