②普段ギャグキャラで通している子が、ボクとだけ趣味を共有している。同じマイナー映画好きと思って接していたら「ワタシだって女の子なんスよ!」と迫ってきた。

椎名富比路@ツクールゲーム原案コン大賞

プロット

○参考作品


『邦キチ! 映子さん』

『涼宮ハルヒの溜息』

 


◯世界観

 現代日本。学園。

 学校の近所にショッピングモールがあり、映画館が併設されている。


 

○主要キャラクター

 

◆主人公


山田ヤマダ ヒュウ(15)



 高校一年生。

 

 フツメン。

 見た目は決して気持ち悪くはない。

 ストレート、片目メカクレ。

 

 キャライメージは、「ぼっちざろっく」の山田リョウ。

 自分を持っているキャラだが、持ちすぎていて近寄りがたい。


 くっそ映画オタ。

 独特の世界を持っていて、煙たがられはしないが親しい友達もいない。

 クラスもあまり彼には関心を示さないが、嫌っているわけではない。

 

 ヒュウ本人も、クラスのみんなは敵とは思っていない。だが、距離は置いている。

 

・名前の由来

 名字は、山田洋次から。名前はヒュー・ジャックマンから。

 それを指摘されて、ヒロインの岡本アマネを意識するようになる。

 

『Xメン』シリーズのウルヴァリンから取ったのかと聞いたら、「『プレステージ』からだ」と父から言われた。

 しかも下の名前の読みが浸透せず、映画部以外の全員からは「山田くん」と呼ばれている。


・キャラの役割上の注意点

 ラノベによくある「みんな大嫌い!」って厭世的キャラにはしたくない。

 どちらかというと、そういう子を毎回救うパターンにしたい。

 自分に自信のないヒロインを巻ごとに救って、好意を持たれていくようにしていきたい。


 適当な悪役を設けて、糾弾するという展開にもしない。

「ひとりぼっちではあるが、周りが敵というわけじゃない」

「こういうもの」

 という感じを出す。

 



 好きな洋画は、『スクール・オブ・ロック』、『天使にラブソングを』

 好きな邦画は、『湯を沸かすほどの熱い愛』

 立場の弱い人ががんばって成果を得る映画が好き。

……というのは建前。

 本当に好きな邦画は『マルサの女2』。エロいから。


 インドア派なので、運動はあまりできない。

 映画マニアだが、マウントを取るために映画は見ない。


 ヒューが映画部の自主制作映画で脚本を担当するはずだったが、印象的な話が書けず悩んでいた。

 後述のキャラに、脚本担当を譲る。


 

・作中のキャラアーク、心境の変化


「誰も自分を理解できない。こんな個性的なやつを好きになる子はいない」

  ↓

「こんな自分でも、理解してくれる人はいる。自分は人を好きになってもいい」


 

・印象的なセリフ

「山田でいいよ」

「あなたが好きなものを好きと思っている人は、あなた以外にもちゃんといます」

 


◆ヒロイン


岡本オカモト 天舞音アマネ(15)


 同じく、高校一年生。

 サイドテール、ミニスカ制服。ぱっちり目。背は小さいが巨乳。

 

 クラスで道化を演じている、おもしろヒロイン。

 抜群のプロポーションを誇る隠れ巨乳だが、クラスでは目立たないようにしている。

 ひょうきんなキャラを演じているが、実は肉食系。

 

 小学生の頃に早熟をからかわれたせいで、なるべく性的なファッションなどはしないようにしている。

 

「岡本太郎のオカモト」

 といわれるより、

「岡本喜八のオカモト」

 と認識されたことにより、山田ヒュウに好意を持つ。


 運動は人並みにできるが、大会に出場するなどのポテンシャルやモチベはない。

 映画研究部への未練を捨てきれず、帰宅部だった。

 自分の趣味に理解を示してくれたことにより、ヒュウと一緒に映画研究部に入る。

 


 実は、隠れ映画オタ。

 ドマイナーな映画が大好き。

 本当に好きな映画を語りたいと思っているが、周りの空気を読んで


 性的な目で見られたくないと思っているため、あまりセンシティブな服は着ない。

 だが、ヒュウと仲良くなることで、少しずつセンシティブな本性が明らかに。

 危うく、官能系の映画になりかけた。


 好きな洋画は、『きっとうまくいく』

 好きな邦画は、『ジャズ大名』

 独特な映画が好き。



・作中におけるキャラアーク、心境の変化


「好かれるためには、自分を演じなければいけない」

 ↓

「こんな自分でも、本音を語っていい」

 

  

・印象的なセリフ

「あたしだって、女の子だもん!」

 


◆映画部の面々


大林オオバヤシ 笑留エミル(16)


 映画部部長。高校二年生。

 170を超える長身だが、胸はまな板。スラッとしたタイプ。

 黒髪ストレート。ツリ目。


 彼氏の伊丹と『映画愛好会』を立ち上げたが、誰もついてこられずに廃部寸前。

 生徒会長から部室を明け渡すように言われていたが、部員を確保したので首の皮がつながった。


 大阪から転校してきたので関西弁。

 

 いわゆる「邦画キチ」。

 洋画をバカにしているわけではないが、伊丹はバカにしている。


 だが、幼少期に転校してきて何もわからない笑留を支えてくれたので、慕っている。


 名字は、大林宣彦から。

 

 好きな映画は、『ZIPANG』、『深作欣二版 魔界転生』、『ゼイラム』、『ガンヘッド』。

 部室のお菓子コーナーは、上記映画で主人公の武器の通り、7つに振り分けられている。

 1:アメ、グミ、ソフトキャンディ

 2:ポテチ

 3:おかき

 4:棒スナック

 5:クッキーかビスケット

 6:チョコ

 7:ポップコーン

 


 アクション映画が好きで、自分も真似をする。

 なので陸上や、床運動などは得意。

 だが団体行動は苦手で、球技が大の不得意。


・印象的なセリフ

「なあ、4番のお菓子ちょーだいや」

(番号は、ZIPANGのセリフから)


 

伊丹いたみ 遊星ゆうせい(17)


 大島笑留の恋人。

 大企業の息子。

 タレ目の見た目イヌ系男子。だが中身は狂犬な、残念イケメン。

 生徒会も手伝っていて、それが理由で映画部は存続できていた。

 家族揃って、マニアックな洋画マニア。

 

 互いのオススメ映画を見せ合い、マウントを取り合っている。

 

 名字は、伊丹十三から。


 父親が遊星を「ジョン・カーペンター」から「可変太カーペンター」と名付けようとして、全力で家族から止められた過去を持つ。 

 で、同監督の映画『遊星からの物体X』から拝借した。

 あまりその映画が好きではなく、由来を知られるのは困る。

 同名の主人公が出る「遊☆戯☆王5D's」は知らない。


 好きな映画は、『グーニーズ』、『旧ゴーストバスタース』『ロンドンゾンビ紀行』。

 音楽が印象的な作品が好き。


 金持ちの家に生まれたので、社交性は高い。

 だが、本心ではその家庭環境に依存したくはない。

 また、一般人な笑留との交際を家族が許さないので、内心では家を出る決心をしている。

 映画好きなら誰でもいい父親は、笑留との交際を認めている。

 が、母親がうるさい。関西人の元カレとなにかがあったらしい。


 印象的なセリフ

「ああ、ヒュー・ジャックマンのヒューね」

 

 

 

◆その他


岩井イワイ 亮太リョータ(16)


 伊丹にとって、唯一の友だち。

 サッカー部。

 彼が映画権の自主制作映画のヒーロー役になる予定だったが、試合が近いことでアウトに。


 名字は、岩井俊二から。


・印象的なセリフ

 重要なキャラではないので、特になし。

 

 

岡本オカモト 翔子ショウコ(17)


 アマネの姉。生徒会長。笑留のクラスメイト。

 足を出さない、まともな制服。

 サイドテールが、アマネとは逆。やや冷たい目つき。

 二年生ながら、生徒会長を務める。

 面白キャラのアマネと違って、頭が固い。

 生徒会に入ってくれると思っていたアマネが映画研究部に入ってしまって苛立っている。


 部存続のため、「期末前までに5分間のセリフ付きショートムービーを作れ」と指示を出す。

 

 完全な悪役というわけではなく、

「堅物な自分の代わりに、生徒を引っ張ってほしい」

 と願っている。


 印象的なセリフ。

「人のために生きなさい」

 本当は「恋をしなさい」的なニュアンスで言っているのだが、妹には伝わっていない。

 


行定ユキサダ 兎羽トワ(15)


 本作のサブヒロイン。一年だが、山田、アマネとは違うクラス。


 隠れ美人だが、山田とは違ったタイプのド陰キャ。

 クラスに打ち解けられないのを人のせいにして、不満を抱いている。

(ラノベの「陰キャ主人公の男女反転型」ヒロインにしたい)

 

 好きな映画は、『スパイダーバース』、台湾映画の『呪詛』。


 極端な読書家で、書籍の劇場版が好きではない。

 あら捜しばかりをしている。

 

 小説サイトの投稿者であり、重めの内容を投稿している。

 

 本来なら、彼女がヒロイン役を務めるはずだった。

「自分を隠さない性格すぎて、ヒロインらしくない」

 と、ヒュウから指摘されて、辞退。


 闇を抱えている性格をヒュウから評価され、

「自分より性格に膨らみのあるヒロインを書けそう」

 と、脚本だけを担当することに。


 その脚本を絶賛してもらったことから、ヒュウに興味を持つ。

 

 名字は、行定勲から。


・印象的なセリフ

「みんな大っきらい!」



富野トミノ リンカ(31)

 

 映画部顧問。元アマチュア劇団員。

 バツイチ子持ち。見た目は子持ちに見られないほどロリ。

 事情を知らない人からは、よく生徒の妹と間違えられる。

 演劇の道へ進みたかったが、親の反対を受けて就職。

 その後、同じ劇団員だった当時の交際相手と結婚した。が、浮気されて離婚。

 子どもがまだ四歳で幼稚園児のため手がかかり、部活にはめったに顔を出さない。

 その代わり知り合いを頼って、撮影機材・環境等はすべて用意してくれる。


 名字は、富野由悠季から。

 

 映画は、児童向けの作品かアニメしか見ない。


 好きな映画は『ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』。


・印象的なセリフ

「息子の面倒を見ててもいいなら、顧問になりますっ」


 

 

◯物語構成


 大体、一巻につき四か五章仕立て。




第一章

 

 とある日の放課後、クラスのみんなで映画を見に行こうという話で盛り上がる。

 この学校は近所にショッピングモールがあり、映画館もある。

 高校生は500円で映画が見られるため、人気なのだ。


 だが、みんなが好きな映画は、ヒュウにとってはあまり好きではない。

 そもそも、陰キャのヒュウは誘われない。


 アマネが持っているチラシに視線がうつった。


 ヒュウは、アマネが持っているチラシのタイトルを見て、「自分もその映画は好きだ」「何度も見ている」と語ってしまう。

 人と関わるのを嫌っていたのに、「好きなものが言えないアマネ」の姿にガマンならず、「あなたが好きなものを好きな人間は、あなた以外にもいる」と熱く語る。


 翌日、ヒュウはアマネに引っ張られて映画部に入らされる。

 

 あやうく、その日で映画部の廃部が決定するところだった。


 姉である生徒会長「翔子」の反対もあったが、条件付きで映画部は存続となる。


 しかし条件は

「期末試験前までに、五分間のショート映画を撮って、何かしらの賞に応募すること」

「文化祭に向けて、映画を発表すること」 

「年間最低一本は、二〇分のショートフィルムを賞に応募すること。受賞は問わない」


 大林はその条件を飲む。


 

第二章


 映画作りスタート。

 

 だが、ヒュウは「映画は見るもの」というスタンスを曲げない。

 映画に対して真摯であり続けようとしているため、コンフォートゾーンから出られないのだ。


 しかも、まだ研究会状態だったので、顧問がいなかった。

 アマネの人脈を使って、家庭科の富野先生が顧問になってくれた。

 映画には詳しくないが、元劇団員であり、育休から戻ったばかり。

 部には顔を出さない代わりに、ツテを頼って古い映画用機材を集めてきてくれた。


 ラブストーリーで話を進める。

 

 部長の大林が主人公で、副部長の伊丹が相手役を担当することで仮決定する。

 だが、機材を触りたい部長は不満を漏らす。

 別のヒロインを要求するが、目立ちたくないとアマネは拒否。

 

 アマネがスマホで撮影。

 脚本は、ヒュウが書くこととなる。


 だが、思うようなアイデアがでない。

 アマネは「ロケハンをしよう」と色々連れ回す。

 ヒュウは、「モールで二人きりで映画を見る」という、人生初の体験をする。

 もはやデートと言っても過言ではない。


 普段はおどけているアマネは、映画を見ているときは凛々しくなる。

 

 ヒュウは初めてドキドキ状態になって、映画どころではなくなる。


 なんのリアクションもしないヒュウに業を煮やし

「あたしだって女の子なんだよ!」

 と、アマネがちょっかいをかけてきた。

 これにもヒュウは、どう反応していいかわからない。


 ひょうきんで通してきた少女が、急にキャラ変をしてきた。

 どうとらえていいのか。


 一瞬、「好意と思っていいのか」とヒュウは悩む。

 だが、個性的すぎる自分に愛情なんてと、思考停止してしまう。

 とはいえ、自分を気遣い連れ出してくれたお礼はしないと、と、プレゼントを渡す。


 アマネは、学校でもキーホルダーをつけてきてくれた。

 


 案の定、ろくなアイデアが出ない。

「アマネがヒロインをすればいいのに」

 と言いたかったが、言い出せない。


 別の映画を見終わった帰り、二人でフードコートで感想会をしていると、隣の席でノートPCをバチバチ音を立てて書き込みをしている少女を見つける。

 その子は行定トワという少女で、ヒュウたちとは違うクラスである。


 イライラしながら書き込みしていて、

「原作の良さを殺している!」

 とブツブツつぶやきながら書き込んでいた。


 その現場を目撃されて、トワはそそくさと立ち去ってしまう。


 翌日、アマネはトワを部に連れてきた。

 部長とモメて、文芸部を追い出された後だという。


 かなり尖った性格の子らしく、映画に関しても詳しい。

 趣味は偏っているが、この子はヒロインっぽいと思った。


「一人ぼっちの少女が、生徒との出会いを通して前に進む話」

 に落ち着く。


 トワをヒロインに添えて、撮影を始める。


  

第三章

 

 

 ヒュウのシナリオが完成したが、問題があった。

 持ち前の人の良さからヒロインを傷つけることができず、毒が書けないのだ。

 

 五分で映画を作ればいいから、完成はできている。


 とはいえ、誰も納得していなかった。

 

 普通の映像作品で、映画というよりPVに近かった。

 ただのいい話なので、これでは映画とはいえない。


 何が足りないか、顧問に聞いてみた結果、「ヒロイン力」と「脚本の力」、両方が足りないからだという。


 トワはヒロインとしては完璧すぎて、すべてをさらけ出しすぎている。

 それは伊丹も同じで、陽キャラだからだろうとのこと。

 トワのようなキャラは、伊丹と付き合っても依存するだけで、幸せになるイメージがわかないとのこと。

 演技力以外でカバーできない部分が問題だという。

 

 脚本は、もっと闇を抱えている人が書くほうがいい。

 ヒュウは達観した仙人のような性格なので、思想が誰にも刺さらない。


  

 アマネはカメラマン志望だったが、各スタッフの要望により、

「ヒュウとアマネが主演の方がいい」

 となった。


 ヒュウを相手役、アマネ主人公、脚本トワでいけばいいのではと顧問は言う。


 もともと実力のあったトワは、一日でシナリオを書きあげた。



 アマネはヒロイン役に反対したが、ヒュウが相手役としるとすぐにOKした。

「自分は扱いやすいからだろう」

 と思っていたのだが、それをアマネに発言すると無断で泊まりに来た。


「もっと自分を知ってほしいし、自分もヒュウのことを知りたい」

 と、提案してきたのだ。

 

 

 

第四章


 映画が完成した。


「普段は普通に振る舞っている少女が、実は独特な感性の持ち主で、それを隠していた。が、彼女の本性を見抜いた少年が、肯定してくれたことで、結ばれる」


 という内容だ。


 翔子からもOKが出て、映画部は存続が決定した。


 夏の映画コンクールに向けて、もう少し長い映画を撮ろうとなった。




終章

 映画俳優の娘が転校してきて、二巻へ続く。

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