第149話 探索者省への対応

※※※ 前書きです。本編とは全く関係ありません※※※


 すみません。書き上げて満足して、予約忘れてました。

 

 いつも拙い文章を読んでいただきありがとうございます。

 

 小説家になろう様に投稿していた時から応援してくださっている方々、お待たせしました。再開から75日目、約束通りこの第149話に到達しました。盛り上がるような話にはなっていませんがお楽しみ頂けると幸いです。


 勿論カクヨム様から読んでいただいている方々も、今後ともよろしくお願いします。いつも書きますが、優しく広い心で読んでいただければ嬉しく思います。


 亘善


※※※




「いらっしゃいませ。今日もクランマスターがお待ちしています。案内させていただきますね」

「こんにちは。いつもお世話になります。よろしくお願いします」


 三日連続で《Black-Red ワルキューレ》のクランハウスを訪ねた。来る前に連絡してアポは取っておいた。


 受付の方とはすっかり顔なじみになってしまった。話をしながらクランマスター室へと向かう。


「前に鑑定で敵対しているか分かると言ってましたよね。それは《Black-Red ワルキューレ》に対して敵対しているのが分かるんですか?それとも貴女に対して敵対しているのが分かるんですか?スキルに関することなんで別に答えてくれなくても良いですからね。ちょっと今回の事で怖くなって来たんですよね。僕に敵対しているかが分かれば良いなと思ったんです。なんかすみません」

「何度も会っているのに名前を言ってなかったですね。私、夏星夕風なつほしゆうかといいます。基本的には私に対してですが、私は《Black-Red ワルキューレ》に所属してますから、《Black-Red ワルキューレ》に敵対していれば敵対反応がでます。龍泉様に敵対しているかは分からないです。すみません」

「いやいや、謝るようなことじゃあないですよ。要らん事言ってほんとすみません。それに様付けは無しにしてください。これからも夏星さんには何度も会うと思いますし、堅苦しいのは無しでお願いします」

「でしたら、私のことも名前の方の夕風でお願いしますね。麟瞳さんとお呼びしても良いですか?」

「勿論大丈夫ですよ、夕風さん」


 ちょっと恥ずかしい話をしているとあっという間にクランマスター室に着いた。部屋の中にはいつものようにお二方がいたが、美紅さんが電話をしているようだ。


「よう来たな。ソファーに座っとってな。今探索者協会から電話がかかってきとるわ」

「分かりました。実はですね、昨日からクラン宛に探索者省から電話が来てるようなんですよね。どうしたら良いのか分からなくて相談させて頂きたいのもあって今日は来たんですよね」

「ウチがダンジョンで携帯ハウスを大きゅうしよう言うたんが良うなかったんかな?あの受付嬢に性能を知られたんがようなかったわ。ほんま腹立つわ」

 

 世那さんがお怒りモードに入ってしまった。お怒りを鎮めないと………もう大変なんですけど………どうしたら良いんでしょうか?


「世那は何を怒っているんだ。龍泉さんが困っているぞー。ちょっと落ち着くんだ」

「ああ、自分の迂闊さになんか腹立ってもうたわ。ほんまウチが悪かったわ」

「龍泉さん、なにかあったのか?」

「いやー、昨日からクランに探索者省から電話がかかって来るんです。で、どう対応したら良いのか相談させてもらおうと思っていたんですけど………」

「直接クランに電話か?自衛隊ではなく、探索者省からか?………買取りを拒否したのに………」

「探索者協会は何を言うとんのや?」

「自衛隊からクラン《花鳥風月》に携帯ハウスを売ってくれるように仲介してほしいという話が来ているらしい。絶対に売ることはないから、それを先方に伝えるように言ったんだがな………」

「なんか、面倒事に巻き込んで申し訳ありません。これだとダンジョンの探索も出来ないですよね」

「さっきも言うたように、ウチが携帯ハウスを大きゅうしよう言うたんが良うなかったんや。麟瞳が謝ることはあらへんわ。こっちこそほんま悪かったわ」

「着信拒否して無視しておけば良いですかね」

「クランの依頼もあるんだ、それはマズイだろう。探索者省から目を付けられるのも良くないと思うが………私達も同席するから探索者省と一度話をしてみるか?」

「話をしないとマズイですかね。滅茶苦茶嫌なんですけど………」


 このままだと安心してダンジョンにも行けないということで、探索者省と話をすることになった。場所は《Black-Red ワルキューレ》のクランハウスで、《花鳥風月》からは僕と真姫が話し合いに出ることになった。世那さんと美紅さんの他に探索者協会からも立ち会ってもらうことになった。折角Bランクダンジョンの探索を始めたんだ、面倒事は早く終わらせてしまいたい。翌日の午後二時から話をすると決めて連絡をした。


「でも、話し合うって………僕は携帯ハウスを絶対に売らないですけどね」

「それでええやろ。いずれ青いオーガのおる大阪のSランクダンジョンに行かんとあかんのや、売らない意思を伝えとけばええんちゃうか」

「私達とのAランクダンジョンでの探索でもすぐに必要になりそうだしな」

「Aランクダンジョンの探索は何階層から日帰り出来なくなるんですかね。パーティメンバーには一日だけお世話になるって話をしているんですけど………うちのメンバーでAランクダンジョンは完全攻略したいんですよね。だからBランクダンジョンの探索にも時間を使いたいんです」

「麟瞳は、ほんまにパーティメンバーが好きやな。そんなら、サッサとBランクダンジョンを完全攻略したらええんちゃうんか。あんたと正輝がおったらすぐに完全攻略できるやろ。全員まとめて面倒見るで」

「お二人は《Black-Red ワルキューレ》での探索もあるでしょう。そこまでお世話になる訳にはいかないですよ」

「正直な話、今うちは行き詰まっているんだ。前にAランクダンジョンを七十五階層まで攻略していることは伝えたと思うが、そのボス部屋を攻略するのは大変だった。トップチームに怪我人が出て、そこで攻略がストップしたままなんだ。いつ再開できるか目処が立っていない。だから今は若手の育成に力を注いでいる。恵梨花みたいな将来有望そうな子に力をつけてもらわないとAランクダンジョンの完全攻略は厳しいな。この話は他では話さないでくれよ。だから龍泉さんは気にすることないんだよ。私達が好きでやっていることだからね」

「そやで、それに麟瞳と正輝は特別や。見てるだけでほんまおもろいで、この前のAランクダンジョンの探索だけで成長しとるんちゃうんかと思うで。そやな、ちょっと調べてみるか?」


 重い話にしてしまった。世那さんが冗談で言ってくれているんだろうが、話の流れを変えるためにもこの話に乗ってしまおう。

 

「そうですね、調べてもらいましょうか。僕も気になっていたんですよね。何だか内側から力が溢れて来るんですよ」


 ダンジョンカードを機械に通した。表示されたのは206という数字………


「冗談やったのに、ほんまに二人抜いとるやんか!」


世那さんの絶叫がクラン中に響いた。

  








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