バブみ道日丿宮組

お題:緑の何でも屋 制限時間:15分

 生きがいというのはなんだろうか。

 幸せになるというのはどうしただろうか。

 誰も答えてくれる人はいない。

 僕の周りにいるのは、黒い人ばかりで白い人はいない。

 色鮮かやかな人はたくさんいるけど、僕には気が重い。

 だからお願いをすることにした。

 何でも屋の緑の人。

 友だちがほしいと頼んでみた。

 赤い人と、青い人がきた。

 とてもきれいで、とてもかわいい人だった。

 朝から晩まで一緒にいてくれた。

 ご飯もトイレも、ベッドでもずっとずっと一緒だった。

 触られることに抵抗は少しあったのだけど、すぐに慣れた。

 いっぱいいっぱい触れた。

 何でも屋すごい。

 家族がほしいと頼んでみた。

 赤い人が恋人に、青い人が不倫相手になった。

 泥沼。

 世間一般的な黒い事情になった。

 三人で眠るベッドは変わらなかった。

 役職に名前がついただけで、僕らの関係に違いはない。

 やがて二人は妊娠した。

 当然僕の子だ。

 育てるにはお金がいる。

 お金がほしいと頼んでみた。

 口座には10億のお金が入ってきた。

 これで大丈夫。

 もう頼むこともないかもしれない。

 眠い。ただ眠かった。

 毎日家族と過ごしてるだけなのに、すごく眠い。

 起きてる時間が短くなった。

 夜の営み以外で目覚めることはなくなった。

 やがて目は開かなくなった。

 次に目覚めると、病室だった。

 赤い人も、青い人もいなかった。もちろん、白い人も黒い人もいなかった。

 僕を見るのは心配そうに見る両親と、そして幼なじみの姿。

 五年。

 僕は夢を見ていたようだ。

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バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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