童話
日本語破綻者
第1話狸
狸は気が滅入っていた。食事が何もなかったからだ。だから人里に下りていくしかなかった。
「ぼく、おなかがすいたよ」
「我慢しなさい」
母狸が言った。
すると、目の前に蛇が現れた。
「僕を食べるかい?」
「ええっ! でもどうして」
狸が聞いた。
「僕はもう長くはないんだ。だから僕を食べてくれよ。僕も君の血となり肉となる事で永遠に生きられる気がするんだ」
「そうか。じゃあ食べるね」
狸は蛇を食べた。すると狸に異変が起きたんだ。
「うっ、ううっ」
実は蛇は未知の寄生虫に感染していて、寄生虫は蛇を操っていたんだ」
そして、その蛇を食べた狸も寄生虫に侵された。
「ど、どうしたの、坊や」
「わ、わからない。でももう僕はだめだ」
狸の目の色が赤く染まり、闇落ちした。狸は人里へと向かった。
「狸鍋になって、人間を乗っ取る」
「や、やめて」
母狸は懇願した。
しかし狸は行ってしまった。
「ああ、どうしましょうか」
母狸は途方に暮れた。寄生虫を倒す方法を見つけなければ。
母狸は人間に助けを求めることにした。
しかし人間に近づくと、捕まえられそうになってしまう。
「どうか息子が捕まらないように」
そう思っていた時、おもちゃ屋開発を手掛けている人と出会った。
「おお、タイミングばっちり。狸の感情が分かる機械の出番だな。うむうむ。困っているな」
開発者はいろいろと頭を捻りながらパソコンと向き合っていた。
「で、これを言語に置き換えると、ふむふむ。息子が寄生虫に侵されて人間に食べられようとしているから助けてほしいかな。なんてな」
凄いわ。百パーあたっているわ。母狸は驚きに目を見開いた。
「えっ、当たっているの?」
母狸はうんうんと頷いた。
そうして捕獲作戦を開始した。
次の日、わざと罠にかかった息子狸をおもちゃ開発の人が発見し、狸を捕まえた。
「さあて、食べようかな」
と言って狸を逆さ吊りにして火でじわじわとあぶって寄生虫を出そうとした。
すると目から寄生虫がするすると出てきて、人間の中に入ろうとした。あわててパソコンで防御した。すると寄生虫はパソコンの中に入り込んだ。
そして、パソコンが自動で動き始めた。
「うそだろ。パソコンを操っているのか」
寄生虫は文字作成の機能を使って言葉を操り始めた。それによると寄生虫は宇宙から来たとのことだった。
「なるほどな。そしてパソコン寄生虫と会話をしながら宇宙の知識を学び、おもちゃ開発屋は宇宙船を開発して、宇宙へと飛び立ちました。
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