受付・2

いつのまにか、ねむっちゃったみたい。

わたしはピーター・パンじゃなくて『シトミ』というおにいちゃんにだっこされていた。

うふふ……だっこなんて、あかちゃんみたぁい。

もうあたし、あかちゃんじゃないよ?


「ふぅ~~……なかなか今回はキッツいなぁ……」

「そうなんですかぁ~?」

「そうなんですかぁって……おまっ!当た光の玉に戻ってんじゃん!!」

「えっ?!キャッ!!うそっ?!」

「あー…まあ……うん。ま、それぐらいの認識ってことだから、今回は諦めな?」

「えぇ~~~……」

「それよりヒカリ。続き」

「あっ!そ、そうでしたっ!!」

ひかりのたま……そうだ……たしか……ひかり……でも、ひかり……?

ぽわんとまるいだけだったひかりが、もにゃもにゃっとひとのかたちになった。

かっ…かわいいっ……おにんぎょうさんみたいっ……

「ええと……最初から話を戻すけど」

「はいっ」

かわいくって、あたしはそのおにんぎょうさんみたいな『ひかり』のほそくてちいさなてをぎゅっとにぎった。

ちっちゃいのに……あったかい……

「うわわっ!はわわっ!かっ…かわい……じゃ、なくて!私たちは『ブレイン・トラベラー』という旅行会社の者です」

「ぶれいん…とらべらぁ?」

「ええ……え~っと……私は…さっき名乗りましたが飛野とびの ひかり、そしてこっち……うぅんっ!いえっ、この人はしとみ

「俺!俺はツバサ!ツバサってんだ!よろしく!!」

「つ…つばさ…おにーちゃん……?」

「そう!羽ばたく『翼』!!かっこいーだろっ?!」

「かっこいいけど……さっき、シトミって……?」

おとこのひと……おにいちゃん……つばさ……よくわかんないけど、あたしはひかるおにんぎょうみたいなようせいさんをだっこしたまま、かたてをぎゅってにぎられたから、ちょっとどきどきした。



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