受付・2
いつのまにか、ねむっちゃったみたい。
わたしはピーター・パンじゃなくて『シトミ』というおにいちゃんにだっこされていた。
うふふ……だっこなんて、あかちゃんみたぁい。
もうあたし、あかちゃんじゃないよ?
「ふぅ~~……なかなか今回はキッツいなぁ……」
「そうなんですかぁ~?」
「そうなんですかぁって……おまっ!当た光の玉に戻ってんじゃん!!」
「えっ?!キャッ!!うそっ?!」
「あー…まあ……うん。ま、それぐらいの認識ってことだから、今回は諦めな?」
「えぇ~~~……」
「それよりヒカリ。続き」
「あっ!そ、そうでしたっ!!」
ひかりのたま……そうだ……たしか……ひかり……でも、ひかり……?
ぽわんとまるいだけだったひかりが、もにゃもにゃっとひとのかたちになった。
かっ…かわいいっ……おにんぎょうさんみたいっ……
「ええと……最初から話を戻すけど」
「はいっ」
かわいくって、あたしはそのおにんぎょうさんみたいな『ひかり』のほそくてちいさなてをぎゅっとにぎった。
ちっちゃいのに……あったかい……
「うわわっ!はわわっ!かっ…かわい……じゃ、なくて!私たちは『ブレイン・トラベラー』という旅行会社の者です」
「ぶれいん…とらべらぁ?」
「ええ……え~っと……私は…さっき名乗りましたが
「俺!俺はツバサ!ツバサってんだ!よろしく!!」
「つ…つばさ…おにーちゃん……?」
「そう!羽ばたく『翼』!!かっこいーだろっ?!」
「かっこいいけど……さっき、シトミって……?」
おとこのひと……おにいちゃん……つばさ……よくわかんないけど、あたしはひかるおにんぎょうみたいなようせいさんをだっこしたまま、かたてをぎゅってにぎられたから、ちょっとどきどきした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます