元皇太子妃候補、冒険へ…!〜転生してきた悪役令嬢に助けを求む〜

つきがし ちの

 暴露

 「本当はね、皇太子様と結ばれるのはあなただったの」


目の前のこの女は、何を言っているのだろうか。


「ごめんなさい、あなたの運命を曲げるつもりはなかったの。

全てが整ったらあなたと皇太子をくっつけるつもりだったのに…」


それが本当だったとして、それを、今、なんで、このタイミングで言ったの?

今日は結婚式で、あなたはめでたく皇太子妃になった日でしょうに……

嫌味のつもり?


「だから、せめてもの償いであなたの未来を教えてあげる」


そして、なりたての皇太子妃は肩を掴んでこう言った。


「あなた、逃げないと公爵に売り飛ばされるわよ」


それは、私の人生が変わった瞬間だった。

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