第5話 中国人の行動原理
かつて、鄧小平は、キッシンジャーから脅された時「やるならやってみろ。俺たち中国人は10億(7億?)の蟻(アリ)だ。」と、はね除けたという。
そして、2022年の今、中国という国を動かすのは、もはやヒットラーや毛沢東という強烈な個性を持つリーダーではない。14億になった中国人民というインテリジェント・ターミナル、或いは世界一強力なAI(人工知能)ともいえる人間ひとり一人が、中国語という言葉ではなく、中国という意思(共通言語)で連動している。
一般的な意味での連動ではなく、個々人が完全に独立した「働き蟻」でありながら、彼らの根底には「中国人」という女王蟻(共通の思想)が存在している。
80年前、時代は毛沢東という強力な指導者を必要とした。
しかし、現代では、既に14億の人間ひとり一人に「毛沢東」は組み込まれている。
別に、中国人全員が「毛沢東語録」を読んでいるというわけではありません。14億人の血の中に、町工場で働く女工や職工の技能(ミクロの技術)と、世界を飲み込むほどの偉大な革命思想(マクロの目)が同居しているということです。
「毛沢東語録」とは中国の古典と同じで、中国人の血から生まれた書であり思想であり、あの時代に必要な思想として、必然的に誕生したものです。
時代の要請に応えて、毛沢東という人間があの思想を提供してくれたわけですが、当時の中国人の血の中に、既にその偉大な思想の原画は存在していたということではないでしょうか。
そして、あと千年も経てば、毛沢東の名は孔子や老子のように、一つの記号となるでしょう。その時こそ、「毛沢東語録」が「中国古典名言事典 諸橋轍次 講談社学術文庫」といった書に収録される時であり、それこそが、古典として確固とした歴史となったということなのです。
現在は「ウィンウィン思想」の実験段階といえるのですが、しかし、すでにこれは、BRICSをベースにした地球上85パーセントの人たちには受け入れられているようですので、99パーセントまで行くのは時間の問題でしょう。
残り1パーセントはどこかって ?
いま現在、中国を批判することで自分たちの存在感を示そうという「お調子者」たちのことです。まあ、一つくらい「落ち」があった方が「粋」で良いかもしれません(江戸っ子の感覚では)。
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