おでかけでーと! ~アドベントカレンダー編~

夕日ゆうや

2022/11/27 バイト

「おれ、バイト辞める!」

 そう言った武雄たけお

 いつも通りおかしなことを言い始めた。

「あー。はいはいね」

 俺は苦笑しながら料理を作る。

 麻婆ナス、チンジャオロースを作りホールの美羽みうに渡す。

「武雄くん、どうしたの?」

 美羽は小首を傾げ訊ねてくる。

「いつものことだ。気にするな」

「そう? 大輝がそう言うならそうなんだろうけど……」

 美羽は本当に優しいな。こんな子を彼女にできて嬉しい。

「おれ、バイト辞めるわ」

「ははは。辞めてどうするんだよ」

 俺は汗を拭い、休憩に入る。

「だって大輝にだって彼女がいるんだぜ? おれにできないなんておかしいだろ?」

「それで?」

 俺は続きを促すように訊ねる。

「ああ。おれが本気でナンパすれば、彼女ができると思うんだ!」

「またおかしな事言っている……」

 苦笑いを浮かべて、ホールから調理場を見る飯田いいだ早苗さなえがいた。

 飯田さんは美羽の友達で、実は武雄のことを気にかけている。

「あたしが悩み聞くって言ってんじゃん!」

 飯田はどんと大きな胸を叩いて言う。

 ぼよよんと揺れるパイオツ。

 それを見た武雄が赤い顔して呟く。

「おれ、もうちょっと続けようかな?」

 何目当てかな?

 俺は苦笑し、休憩室に行く。


 これは俺こと大和やまと大輝が外出先で美羽とデートをする物語だ。……たぶん。




――――――――


 こちらカクヨムコンテスト8回目の応募作「おうちでーと!」のスピンオフ作品になります。

 こちら単体でも楽しめるよう、努力して参りますが、気になる方はぜひ12月1日をお待ちくださいね!


 ちなみに日付を書いていますが、その時期に沿った架空の物語とさせて頂きます。


 ではでは!

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