第14回🐔吉岡平先生、追悼回

 ◆吉岡平先生の訃報を知り愕然とする


 八軒はもはや隠さず出していくと、アラフォーのギリ30代のおっさんなのです。


 自分が中学生で一番ライトノベルを乱読していた頃、一番力があったレーベルは富士見ファンタジア文庫でした。


 スレイヤーズ、魔術師オーフェン、宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ、

 そして八軒が最もハマったのは、『無責任艦長タイラー』シリーズです。


 作者は、吉岡よしおかひとし先生。


 その先生の訃報が、夕食を食べ終わった自分のTwitterに流れてきました。

 まだ62歳との事。ご冥福をお祈りいたします。


 これを見た瞬間、自分でもびっくりするほど動揺しました。職業柄、人間はいつか老いて死ぬものと思っていた八軒ですが、そんな……と呆然としてしまったのです。


 それくらい、自分の中では尊敬する作家先生だったようです。


 吉岡平先生の代表作と言えば、言わずと知れた『無責任艦長タイラー』シリーズです。シリーズ最初の「宇宙一の無責任男」の刊行は1989年。それから一応の最終巻である「無責任提督タイラー」は2003年という超ロングランシリーズでした。


 2017年には「無責任ギャラクシー☆タイラー」というアニメが放映されていましたが、あれは正直わからないのです。(ビジュアルでなんか違う……と思ってみなかったので……)


 まぁそれくらい大人気シリーズでした。


 そして八軒はこれが大大大大大大好きだったのです。

 本も全部買い、アニメも見、京都のアニメイトに行きキャラクターグッズを買ったりもしました。まさに自分の中学生時代の青春でした。


 2003年の無責任提督タイラーまですべて追いました。最終巻は万感の思いで涙なしでは読めなかった事を覚えています。

 

 ◆無責任艦長タイラーという怪物


 大まかなストーリーとしては、スペースオペラの系譜で、人類が宇宙に進出した未来を舞台にし、惑星連合宇宙軍に入隊したジャスティ・ウエキ・タイラーというおべっかと、人心掌握に長けた人物が、どんどん出世していくというお話です。(タイラーが運だけの男なのか、人心掌握に長けた傑物なのか、長期シリーズのどこを切り取るかで変わってきます。ですが、傑物でいいと思います。吉岡先生自体が、後期のリメイクではそのように書いてるし)


 特徴的なのは、スペースオペラでありながら、軽快な文体で、ストレス少なくすらすら読める。

 そして主人公のタイラーが最初は何も持たないだらしない男の様に描写されているのですが、持ち前の人に好かれる性格と、豪運でどんどん勝利し、不条理に無双し、出世街道を邁進していく。


 その中で、嫉妬した上官や敵が妨害するのですが、それをことごとく跳ね返し、相手は地団駄を踏むという……


 この構図って、何かに似ていませんか? そう、最近のWeb小説、とくになろう小説と呼ばれる異世界ファンタジーの構図に似ているのです。


 八軒は、第一回で触れたような理由で、書籍化作家を目指しました。


 しかし、おっさんなので最近の小説に疎い。とりあえず小説家になろうに連載されランキングの上にある作品を読み傾向を研究しました。


 その時に、「あ、これタイラーっぽいんだ」と思ったのです。


 ◆八軒への影響は甚大。素晴らしい作品だった


 無責任艦長タイラーが、時代が回りまわって今のトレンドに沿っていることを発見した八軒は、自分なりの『タイラー』を書こうと思いたちました。


 パクリは駄目です。でもオマージュは良い。自分がタイラーの何でドキドキしたか。何が大好きだったかを考えて、それを自作に取り込もうと思いました。


 そうしてできたのが、今連載中の『魔導機関技師エドガー』でした。

 だから本当に、無責任艦長タイラーシリーズは、自分の中で特別な作品でした。




 ここまで、書いといてなんですが、自分の作品なんてこの際どうでも良いんですよ!


 今は、本当に本当に素晴らしい作品を書かれた先生がなくなられた事がひたすら悲しい。それにかこつけて、自作語りとかおこがましくてぶっ飛ばしたくなる!!!




 その作者先生がなくなられた事で、本当にびっくりするほど感情が揺れ動いています。そのせいでこんな乱れたエッセイを書く羽目になっているのですが(ちなみに今本当に珍しくお酒が入っている。そして涙を流しながら書いている)



 吉岡平先生。夢をありがとうございました。

 先生が紡がれたタイラーの物語本当に、本当に大好きでした。

 自分の青春でした。ありがとうございました。ありがとうございました!


 心からのご冥福をお祈りいたします。

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