第4話

「それでは御三方ごさんぼうにおまかせいたします。あ、失礼いたしました。お茶をいれてまいります。椅子に座って、お待ちください」

 テロスは杖をつきながら、ゆっくりと本堂の奥へと消えていきました。


 ロゴスはゴホンと咳を払うと、アトモスにチラリと視線を向け、問いかけました。

「アトモス、それで……本当に人間を蘇らせることなどできるのか?」

「科学を使って、人形を作ることはできるが感情はない。ロゴスこそ亡き者を召喚するなどできるのか?」

「魔術を使って、命を錬金することはできるが、死者の魂は戻ってこない。アペルは霊気の実体化など本当にできるのか?」

「超能力を使って、モノを動かす意識や感情は操れるが、実体化は難しい」

 

 結局無理ではないか、と三人は腕を組みながら、うーんと考え込みました。

 そこでロゴスが提案します。

「それではこうするのはどうだ? いったん我らで手を組んで、アルシアを造り上げる。まずはこの星林を奪うことが優先だ。その後はまた戦争で決着をつければよい」

「それが一番理にかなっているかもしれぬな」アトモスが相槌を打ちます。

「それでは……まずは一時停戦ということでよいかな?」アペルが問いかけると、二人は頷きました。


 まもなくしてテロスがお茶を載せた盆を持って戻ってきました。テロスは盆を円卓に置くと、三人に話しかけました。

「いかがでしょう? アルシアを蘇らせることはできますでしょうか?」

 三人はお互いの顔色を伺っていましたが、ロゴスが口を開きました。

「うむ、我らの力を使えばできるであろう。時間がかかるので、しばらくここに泊まらせてもらうことにする」

「いつ頃になりますでしょうか?」

「そうだな……一週間後ではいかがかな?」

「かしこまりました。それでは一週間後に。お部屋は用意いたします」

 その日はいったんお開きになり、三人は部屋に籠もると、それぞれの仕事に集中することとなりました。


 アトモスは部屋に入ると、さっそく機械部品をたくさん用意し、絵に描かれたアルシアそっくりの人形を造り始めました。

 ロゴスは薬草や生きた虫を鍋にぐつぐつと煮込み始めました。

 アペルは精神統一のために座禅を組み、念力の練り込みを始めました。

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