無限の太陽電力! 勇者パーティーを追放された支援職の僕は、【ソーラーパネル】で勇者の元を去って来た聖女たちを輝かせます。~勇者の聖剣が輝かなくなった? あ、それ電池切れです~
のすけ
第1話 マーク、追放される
「マーク! おまえクビ!」
僕はマーク・サンエル。
Sランク勇者パーティーに所属する支援要員だ。
僕はリーダーの勇者グリタスから突然のクビを言い渡された。
「ど、どういうこと? なんで僕がクビなの?」
「おまえ、な~んもしてないじゃねぇか! ただ俺たちのうしろにひっついてるだけだろ? そんなやつはいらん!」
「そんなことはないよ! 僕だって荷物持ちや炊事係をしっかりこなしてきたんだ。それに僕の【ソーラーパネル】でみんなの力にもなっているし!」
勇者グリタスは「はあ」とため息をついて、僕を見下しつつ言い放った。
「あのな。おまえの【ソーラーパネル】だったか? 今までその魔法が発動したのを見たことないんだわ。よくそんな大ウソがつけるな」
「僕がいなくなれば、光属性の聖剣も使えないし、みんなの魔力や光魔法の強化もできなくなって、みんな困るんじゃ…」
「んな訳ねぇだろうが! デタラメ言いやがって、このウソつき野郎が!」
「それに、パーティー結成時に王様に言われた言葉を忘れたの? 僕の支援がなければ聖剣は輝きを失うって」
「はぁ? おいおいおいおいおい~。あのな、聖剣が輝くのはこの勇者である俺様が超絶すげぇからだ!!」
「えっと、グリタスちゃんと話聞いている? 僕が言ってるのは…」
「グダグダうるせぇ! 結論はでてんだ! おまえが抜けることによってだ~れも困らないっ! よって、おまえはクビだ! はい話は終了!」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ! 妹の治療費が必要だって、前から話してあっただろ? 雇用契約期間もまだなのに、そんな一方的に……っ!」
僕は勇者グリタスの肩をつかんで、必死に食い下がる。
妹の治療を続けるためにも固定収入が必要だ。ここでパーティを解雇されるわけにはいかないんだ。
「ああ? 雇用契約~? アホかおまえ! 契約と勇者とどっちが偉いと思ってんだ!」
何を言ってるんだ?
契約内容を反故にしていいはずがない。ましてやグリタスは国民の模範となるべき勇者だぞ。
「はあ~しつこい奴だな、うざって~。なら今やってみろよ! おまえのウソつき支援魔法とやらをよ~」
僕はスキル【ソーラーパネル】の
これは、僕が太陽から体内に蓄積した電力を魔力に変換して他者に分け与える効果がある。
純粋に魔力が増加する効果もあるが、勇者の使用する聖剣や、光魔法を得意とする聖女には効果が非常に大きい。僕が
「あん? なんかやったのか? なんもかわんねぇ~な~」
「グリタス、君の聖剣の光エネルギーが爆発的にアップしているはずだよ」
「どれどれ~」
グリタスが聖剣を抜くと、いきなり僕に向かって光の斬撃を放ってきた。
完全に不意をつかれた僕は辛うじて直撃を避けるも、反動で後ろに吹っ飛ばされる。
条件反射で反撃しそうになったが、仲間を傷つけるわけにはいかない。僕は防御に徹した。
「ぐ、グリタス! 何をするんだ! 仲間に向かって攻撃するなんて気でもふれたの!?」
「おい、このウソつきやろう。な~んも変わってないぞ。今まで通りの俺さまじゃねぇか! 絶好調だぜ!! へへへ~やっぱ俺さまの実力はずげぇな」
「ち、違うよ…だから太陽電力を
僕の言葉が終わる前に、聖剣の第2撃を放とうと構えを取るグリタス。
もはや、何を言っても取り合う気がないのか…
「………わかったよ。でもみんなの支援をするためにも僕は必要なんだ。みんなはなんて言ってるの?」
「…当然ながらおまえは不要との結論が出ている。まあ、みんなのまえで追放されるのはあまりに哀れだからこそ、この俺様がわざわざ解雇を言い渡しにきてやったんだ。ああ、俺様はなんて優しいんだ」
妙な間のあったのちに勇者グリタスは無慈悲なセリフを口にした。
そうか、みんな僕は不要という結論を出したのか…
荷物持ちや炊事の雑用以外にも色々やってきたつもりだ。
しかし、結局はだれも認めてくれていなかったのか。一緒にやってきた仲間にそんな風に思われていたなんてショックだ。
「わかったよ…。みんなに迷惑をかけていると思われているなら僕は去るよ。最後にみんなにさよならを言いたい」
「ああ? 俺さまがせっかく気を使って2人の時に解雇通告してやってんだぞ。グダグダ言ってんじゃねぇよ。さっさと去れ!」
「せめてルルリアにはちゃんとお別れを言わせてくれよ」
勇者パーティーの一員である聖女ルルリア。
彼女は王立アカデミー時代の後輩だ。せめて彼女にだけでもしっかりお別れを言いたい。
「あのなぁ、そのルルリアが一番お前の解雇に賛成してるんだよ。つまり一番お前に会いたくないんだよ。わかる?」
「そ、そんな…本当に彼女がそう言ってるの?」
「なあ、もういいだろう。みんなおまえにうんざりなんだよ。このパーティーから去ってくれ。ついでにこの町からもな」
勇者グリタスは蔑むような視線を僕にむけてため息をついた。
僕は静かに言葉をしぼりだした。
「わかった。世話になったね…」
もうここに僕の居場所はない。
気持ちを切りかえて次の仕事を探さないと。
僕は勇者の前から去っていった。
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追放された転生第7王子、マニアックなスキル【ポーション生成・合成】でぼっちスローライフ満喫……のはずが、作ったポーションが凄すぎて美少女依存者が続出してしまい俺を離してくれない
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