メンヘラ彼女に殺されたら異世界の郵便屋さんに転生したので色んな人(?)の想いを届けようと思います

落ちこぼれのプリン

第1話 少しなら…

翔真しょうまさん! 私と付き合ってくれませんか…?」

「へ?」



兄貴にずっとチャンスを奪われてきた。俺に近づいてくる女子はほとんど兄貴目当てだ。俺の彼女も最後には兄貴に取られていった


[二週間前]


「顔は一緒なのに何でこんなに違うのかね~。」


俺の家族はくそだ。母親は俺を産んですぐに死んだ。父親は母親が死んで数か月で気がくるって女と遊びまくった。兄貴は父親に似て彼女をとっかえひっかえしてる。

隣んちの奈々なな姉ちゃんも被害者だ。


「兄貴が引っ越した今でも女の子は寄ってくる…何がそんなに違うんだよ」

「性格だろ。お前はゲームばっかりだし顔は良くてもなぁ」


こいつは俺の親友兼俺をクラスについていかせてくれる八柳やなぎ れん


「うるせえよ、連はクラスの中心だからいいよな」

「カースト上げも大変なんだよお前も頑張ればいいのによ」

「頑張っても兄貴に行くから」


この前も少し暗めだけどめっちゃ可愛いさくらさんとかいう彼女の写真送ってきたし…


斗真とうまさん引っ越したんだろ? 少しぐらいマシになるだろ」

「少しはな! 兄貴になんかさん付けすんなよ…兄貴がなんなんだよ…!」

「ドンマイドンマイ! んな沈んでもなんも解決しねえよ!」

「傷えぐんな…そんくらい悟ってるし…」

「少しぐらい女子に優しくすればいいのにな!」

「してるわ。脈ありでも兄貴に吸い取られんだよ」

「吸い取られるってダ◯ソンかよ!」

「うるせえ俺ちょっとトイレ行く…」

「ん~俺は購買に行くわ…」


優しくしても俺には損しかねえんだよ…


「…あ」


また影山かげやまさん日誌運んでる…日直でもないのに


(少しぐらい女子に優しくすればいいのにな!)



「…影山さん手伝うよ…半分頂戴?」

坂本さかもと君…! あ、ありがとう」


学年で一番暗いけど掃除は上手だし顔も可愛いし人の変化にも一番に気付くのに

酷いなカーストってやつは


「さ、坂本君ありがとう…それよりお昼終わっちゃうよ? 良いの?」

「まだ十分あるし影山さんもいいの? それか一緒に食べる?」

「ううん! 坂本君みたいに良い人と食べるのも悪いし、まだみんなに黒板掃除とゴミ捨てと課題の採集と提出から…ごめんね」


…果たしてその使い方は合ってるのだろうか


「そんなの頼まれてるんじゃないよ。それにそれは各々の係がやればいいから

お昼一緒に食べよ? カレーパンとクリームパンどっちがいい?」

「えっ? でもみんなの頼み聞かないと私なんかがいていいわけが…」

「そんなことない! 良いからパン選んで! 俺からの!」

「頼み…じゃ、じゃあクリームパンで…」

「ん! OK! 美味しいよね~俺も好き!」

「う、うん! というか甘いクリームパンと辛いカレーパンって不思議な組み合わせだね…初めて見たかも…!」

「はっ確かに! 影山さん面白いね…!」

「あっありがとう!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る