第3話
「ミッションのお
「姿勢制御については私にまかせて」有美は日本が誇る優秀な宇宙飛行士、その目に宿す機械のような冷徹さから自信が伺えた。
「あとはロケットエンジンの確認とメンテナンス。ここはまかせたぞ、真守」
「了解です、二時間後に噴射テストを行います」
「よし、では食事を済ませたら作業に取り掛かろうか」
デザートの乾燥フルーツを食べ終わると、真守はエンジンの制御コンソールに向かいロケットエンジンの起動準備を行い、有美は推進コントロール用レバー、ペダルの確認を遂行した。私は準備が整ったところで噴射テストの開始を指示した。
「逆推進ロケット噴射テスト行います。第一ロケット点火……正常」
「第一ロケット手動操舵……問題なし」第二、三、四、五と問題なく検査は続いた。
「最後、第六ロケット点火……点火。船長、第六が点火しません」
「なんだって……?」
三人で制御コンソールに表示されたロケットの出力ゲージを見つめる。第六のみ数値が上がってこない。
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