第69話 お前のチ○コ一生使えなくするぞ! ※ソフィア視点
頭のおかしい奴らは別の部屋に詰め込むと、親子久しぶりの再会に感激した。そんなに喜んでくれるとは思わなかった。
ただの変態だと思っていたが、感情はしっかり持っているようだ。
スロ子だけは「放置プレイなのねー♡」と喜んでいたが、何を言っているのか分からなかった。
一方、冒険者を追い払った魔物達はコボルトとゴブリンから教育が必要だと指導を受けている。
ついに後輩ができたとあいつらも意気込んでいた。ちゃんと人生の先輩としてアドバイスをすると、さらにやる気が出たようだ。
その頃、良いことをして温かい気持ちになった俺は王都に向かっている。
ダンジョンから出るのに、時間がかかると覚悟していたが、裏ルートが存在しており、迷わずに外に出ることができた。
犯罪者が隠れて生活するために、ダンジョンは便利だと聞いたが確かに便利だ。
「これで冒険者がもっと増えればいいな」
俺は鞄に入れたアイテムを見つめる。
――――――――――――――――――――
《経験の首飾り》
レア度 ★★★★
説明 魔物を倒した時のレベルアップがいつもより早くなる。
《命の指輪》
レア度 ★★★★
説明 祈りを込めると自身の魔力を消費して回復魔法が使えるようになる。魔力の量によって効果は異なる。
――――――――――――――――――――
今回出てきた指輪や首飾りはどれも比較的レア度が高く、装備品としては優秀だったためギルドに持って行くことにした。
俺が使っても良いかと思ったが、コボルト達がこれ以上レベルアップするのも困るし、怪我をするほど弱い体をしていない。
王都に着くと、冒険者ギルド内はどこか賑わっていた。その中心にはさっきまでダンジョンにいた男が座っている。
「あそこは男達の宝庫だ」
「おい、どういうことだよ!」
「勿体ぶらずに早く言えよ!」
俺もその中に混ざることにした。ダンジョンの評判は聞いて損はないからな。
「あそこのダンジョンは奥に行けばいくほど、全裸の美女がいるんだよ!」
「はぁん!?」
「お前ダンジョンで頭でも打ってきたのか?」
冒険者達はゲラゲラと笑っていた。確かにそれだけ聞いたら、幻覚魔法にでもかかったと思われるだろう。
「いや、本当だ! 俺なんて絞り尽くされてこれ以上は出ないってぐらい満足した! あれは娼館よりも断然お得な男のロマンに溢れたダンジョンだ!」
実際、そんなダンジョンがあったらたくさん人が集まるだろう。冒険者は嘘をついているが、これでダンジョンに人が集まれば良い宣伝効果だ。
「そういえば、あそこのダンジョンの発見者って使えないAランクのクロウだったよな?」
「ははは、これであいつもやっと使えるよな」
「しかも、美女揃いのパーティーも追放されたらしいしな」
「彼女達にも愛想尽かされたのか」
彼らの言っていたことは間違いではない。俺は現に3回も追放されている。冒険者としてもパーティーでも使えない一人だ。俺は自分の存在を消すように、冒険者ギルドを出た。
♢
私達はただ冒険者ギルド内で男達が騒いでいるだけだと思った。
娼館より良い女がいる?
女性を自分達の欲を解消させるためにしか思っていない人達が、自分と同じ冒険者だと思うと虫唾が走る。
そんなクズ達から私達が愛している男の名前が出てきた。
使えないAランク冒険者の"クロウ"。
彼らははっきりそう言ったのだ。私達より桁違いに強く、何もできない私達でも強くなったと勘違いしてしまうほどの付与術の持ち主。
居ても立っても居られず、私――私達は立ち上がった。
「ちょっと、あんた達今なんて言ったのよ?」
「はぁん? おう、良い姉ちゃん達が俺達と遊びたいらしいぞ」
私達が声をかけたからか、クズ達は嬉しそうに笑っていた。その気持ち悪い顔を見ているだけで吐き気がしてくる。
「なぁ、今夜俺達と激しい夜はどうだ?」
男は一番怒らなさそうなモナの胸に触れた。
「ちょ、あんた――」
「お前らみたいなゲスで汚いチ○コは一生使えないように粉々にしてあげるわ!」
お淑やかで優しいモナはもうそこにはいなかった。新しい武器であるメイスを下から上へ、おもいっきり持ち上げるように男の股間を目掛けて振るう。
「うああああああ!」
男の叫び声とともに、よだれがギルド内に飛び散る。それでもモナは自身のスキルを使って、男の股間に回復魔法をかける。
「これで済むと思うなよ?」
モナはその後もメイスで股間を殴っては回復魔法で治療するのを繰り返した。
仲間である私達も引くぐらいだ。
「モナやめなよ!」
ルーダがモナを抱え込んで、やっと彼女を止めることができた。モナはまだ興奮しているようで、息を整えていた。
「これ以上クロウの悪口を言ったら、お前らのチ○コ一生使えなくなるからな!」
そう言ってモナは冒険者ギルドを後にした。
その後、冒険者ギルドにいる女性達からは私達が憧れの存在になることをその時は知らなかった。
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