美女ばかりのパーティーを追放された付与術師の俺。なぜかスローライフを監視されているんだが?

k-ing🍅二作品書籍化

ストーカーライフ

第1話 追放か……覚えていろよ……

「あなたにはこのパーティーから抜けてもらうわ」


「えっ……」


「前々から思っていたけど、正直あなたにはこのパーティーは合わないのよ」


 俺は何を言われているのか理解出来なかった。


 確かに女性ばかりのパーティーに俺がいるのはおかしいと思うが誘ってきたのは向こうからだ。


「だから早くパーティーから抜けてちょうだい」


「わかった」


 納得はできないがパーティーから外れるしかなかった。


 結局どこのパーティーに入っても捨てられる運命だった。


 前回も前々回も、初めて冒険者になった時のパーティーもそうだ。


 いつも急に俺はパーティーから追放される。


 追放理由は全て知っているがこの子達はそれを知った上で誘ってくれたはずなのにやはりこの展開だ。


「ちょっと待ちなさい」


 ああ、これは毎度ある身ぐるみ剥がされるパターンだ。


 付与術師の俺には直接戦わないから装備がいらないだろうと毎回言われていた。


「なんだ?」


「あなたが買った装備でしょ。私達にはいらないものよ」


 俺が冒険者ギルドから出ようとすると彼女達はいきなり装備品を脱ぎ出した。


 突然の行動に俺は戸惑う。


「えっ……ん?」


「こっ……こんな防具つけてたら忘れられないわよ」


 さらに何を言っているのか俺には理解できなかった。


 彼女達は自分の装備を脱いでいるのだ。


 突然の行動に俺は戸惑いながらも受付嬢に目を配る。


 男ばかりの冒険者ギルド内で女性が突然装備を脱ぎ出すことがどれだけ迷惑行為になるかをわかっていないのだろう。


 そういえば彼女達の装備は俺がプレゼントしたものだった。


「ああ、そうか」


 結局は俺が彼女達に与えた装備もそのまま返されてしまった。


 本当にこのパーティーに俺の存在場所がないのだと露骨に思い知らされる。


 手に渡された三人分の装備品からは少し温もりを感じた。





 宿屋に戻るとベットに倒れ込み大きく息を吐く。


 周りには誰もいない環境に力が抜けると、少しずつ頭の中が整理される。


「はぁー、あいつらなんなんだよ。俺が今までどれだけ我慢してきたと思ってんだよ。そもそも女性が苦手なのに女性ばかりのパーティーに誘うとか意味不明だろ」


 俺は昔から女性と話すと緊張して話せなくなる。


 だからこそ俺のスキルでそれを緩和して、どうにかパーティーの仲間として参加していた。


――――――――――――――――――――


《ステータス》

[名前] クロウ

[種族] 人間/男

[能力値] 力C/D 防御C/D 魔力S/SS 速度C/D

[職業] 付与術師


《スキル》

[職業] 付与術師

力強化 100

防御強化 100

魔力強化 100

速度強化 100

状態異常 100

耐久性 100

精神耐性 100

レベル調整 100

性質変化 100


――――――――――――――――――――


 俺は付与術師のスキルである精神耐性を強化して、やっと彼女達と一緒の空間にいることができるぐらいだ。


 話しかけられても「ああ」や「わかった」などの返事しか今までしていなかった。


 結局それがダメだったのだろうか。


 前のパーティーでは女性陣が怖がっているから抜けろと言われたり、戦ってもいないのに経験値をもらうのはおかしいと言われて追放された。


 なぜ、俺ばかりこんな仕打ちを受けなきゃいけないんだ。


 そもそも付与術師は戦闘向きでもないし、サポートしかできないのはわかりきっていることだ。


 考えれば考えるほど俺の中ではイライラが増していく。


「あー、そもそもパーティーに合わないってなにが合わないんだよ!」


 ルックスは他の冒険者よりは細身だが、身長は高めのため見た目も悪くないはずだ。


 それとも女性じゃなかったのが、やはり問題だったのだろうか。


 それなら声をかけてくるなと言いたい。


 もしくは前みたいにうまく話せないだけで、パーティーから追放されたのだろうか。


 ちゃんと付与術師としての仕事はしていたはずだ。


 他の人とどこか性格がズレているのが原因だったのか?


 特に気にする素振りもなかったが、一体何が問題だったのだろうか。


 気づいたらパーティーから追放された理由を考えすぎて眠れなくなっていた。


「ははは、あいつら覚えていろよ」


 俺の中で彼女達の存在がどんどんと違う方向へ変わってしまう。


 追放したことを後悔させてやる。


 パーティーを追放された俺の中に残っていたのは、彼女らに対する復讐心で溢れていた。


──────────

【あとがき】


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何卒よろしくお願いいたします。


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