第13話 話し合いの結果は……

 結論から言おう。


 話し合いは決裂した。


 そして、どうやら戦争を回避出来ないみたいだ。


 まあ、当然の帰結だよな。


 元々、ユメオが死ぬ運命を繰り返していた時に、武力衝突は毎回起こっていた事から見ても、事象発生の強制力は強固な物だったのだろう。


 ただ、その元々の勃発理由が今回は何時もと違っていたというだけなんじゃないか?


 そういう結論に至ったのは、あの後村に帰りながら迎えに来ていたユメパパ達と話し合った末に得た情報で、武力衝突の原因について色々と気が付いたからだ。


 以前の武力衝突の原因は、ちょっとしたイザコザが有ったからだと俺は理解していたが、もしかすると真相は今回ユメオ達が防いだプレミへの暴行が発端なんじゃないかと考えられる。


 もしも、朝方にユメオ達がトナ村の様子を見に来ていなかったとしたら、プレミは奴等にそのまま暴行されていたという結果になっていただろう。


 そして、夕方になってプレミの行方を探しに来たユメパパ達に暴行された後の彼女が発見されるかして保護され、そこから事件を起こした奴等との間でゴタゴタが起こり、その結果としてトナ村との戦争状態に突入するんだろう。


 後は、ユメオ達若い衆が知らされていたちょっとしたイザコザだと説明されていた戦争開始理由は、嫁入り前のプレミが暴行されたという醜聞を隠そうとした為の偽装工作だったんだな。


 ともあれ、現在の世界線ではプレミは全くの無傷である為、今般の戦争理由は全て公表されるだろうから、オレ村全体での意識共有がなされて士気が高揚し、ユメオが死ぬ運命の回避も期待が出来るんじゃないか?


 まあ、その可能性がちょっとでも以前より上がっているのならば、今回の推移は俺としては歓迎出来る物だ。


 ヨシヨシ。初見の対応としては案外上手く行った方なんじゃないか?


 このままこの流れを続けて行けたら良いんだけどなぁ。


 まだまだ気を抜けない状態だから、もっと頑張らないとな。


 さて、では今後の方針はどう言った物にするべきかなんだけど。


 う~ん。今回は取り敢えずの目標の戦争回避というのは出来なかったんだよなぁ。


 そうすると、またあの矢で撃たれて死亡というのが繰り返すのか?


 うん、そうだな。


 まだ時間的猶予は有るみたいだから、ここは試行機会を一回捨ててでも最終結果が変わっているのか否か、一度確めてみても良いかもしれない。


 まあ、戦争開始理由の変化と言うのは結構大きな事象要因である事は間違い無いからな。


 という訳で、その後は特にユメオの選択に干渉する事無く、夢を傍観して観察する事で時間を進ませた。
















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