俺の周りは俺のことが嫌いな奴ばっか!

紅鶴 かたあし

いきなりなんだがこれに興味を示してくれて非常にありがたいと思う。

とりあえず自己紹介をしておこう。俺の名前は高崎 千尋(たかさき ちひろ)。

 これに興味を持った君たちはこんな事を思っているだろう。   

 この物語の主人公つまり俺がカワイイたくさんの女の子達に囲まれてチヤホヤされたり、学校一の美少女にいきなり告白されたり、なんてことを考えてしまってはないだろうか?

ふふ、残念だったなこの物語においてはそんなラブコメ展開はぜぇぇぇぇっっったぁぁぁぁいにない!

 なぜかって?それは俺の回りには俺の事がキライな奴ばっかなんだ。

 あ、もちろん友達はいるよ。

 だから正確には俺の事がキライな女ばっかりっことだな。

 え?そんなことないってラブコメの主人公だからきっとお前が気づいてないだけだって?

 はぁ、ったくお前らはこれを見てもまだそんなことが言えんのか?

 「おいっ!バカ兄貴!さっさと起きろ!」

 な?だろ?実の兄にこの仕打ち酷くないですか?

 アイツは妹の高崎 麗凪(たかさき れいな)。

 口は悪いが家事全般をやってくれている。

 ちなみに両親は9年前に交通事故で亡くなってからは2人で暮らしている。

だが、幼い子供2人だけで暮らして行けるわけもなく母の妹の菫さんって人が来てくれてよく世話を焼いてくれた。

 そんな俺たちも17歳と16歳になる。

 今は2人ともここから1番近い如月高校に通っている。だが、なかなかの進学校で元から頭のいい妹はそうでもなかったみたいだが、そうじゃない俺は受験に相当苦労した。

 「わかった、わかった今行くから待ってろ!」   

 「会話すんな!」

 「えぇぇ…」

 昔は俺にベッタリだったのにな〜。

 あの時は可愛かったな〜。

 ま、今も可愛いのは変わらないんだがな。

 「キモイ事考えてないでさっさと降りてこい!」

 「なんで俺が考えてること分かるんだよ!」

 家事全般を任せているだけあって俺は麗凪に何を言われても何も返すことが出来ない。

 それに麗凪から嫌われても俺は絶対に麗凪を見捨てないし、嫌いにならないと決めている。

 てか、嫌いになれない。

 しかもどっちかって言えばめっちゃスキ、可愛いし。

 おっと、別に麗凪を異性として見てる訳じゃないし、シスコンって訳でもない。

 「兄が妹を可愛いと思うのは当然のことだ」

 「何言ってんのよ!早くしなさい!」

 おっと声に出てたか。


 「ふぁ〜、おはよー麗凪」

 「お、遅い!ご飯冷めちゃうでしょ!」

 呼ばれてからそんなに時間は経ってなかったと思うんだが?まぁ、いいか。

 「いただきまーす」

 「いただきます」


 「ごちそうさま」

 「ごちそうさまでした、美味しかったよいつもありがとな」

 「は?なに?いきなりキモ!」

 ひどい。

 「てか、私の料理が美味しいのはいつもの事、あと会話しないで」

 「えぇぇ…」

 「さて、そろそろ学校いくか」

 「ん」

 っと、妹が玄関で靴を履いてるときあるものが目に入った。

 異常なくらいまでに綺麗に整った妹の太ももである。

 スカートが極端に短くしゃがめばその下も見えてしまいそうな勢いだ。

 「な、なぁ麗凪?」

 「なによ」

 「その格好で学校にいくのか?」

 「はぁ?なんで?」

 「なんでってそりゃいろいろダメでしょ」

 俺の妹は学年一、いや学校一と噂されているほどの美少女。出るところはちゃんと出てて締まるところは締まってて脚なんかはスラーっと長くて俗に言うモデル体型。

その整った容姿は兄妹であることを疑わざるおえないレベルだ。

 そんな人がスカートが膝上20cm以上!

 こんなの兄が許すわけないでしょ!

 「?どこが?」

 「主にスカート」

 「はぁ?意味わかんないし!」

 「いいからスカートだけでも直して!」

 「ったく」

 なんだかんだいって直すあたり本当に可愛い妹である。

 「これでいい?」

 「ああ」

 「さっさと学校に行こうか」

 「会話しないで」

 「えぇぇ…」



 「………………。」

 「………………。」

 「………………。」

 「………………。」

 「…バカ兄貴」

 「なんだよ」

 「なんか喋りなさいよ」

 「えぇぇ、朝は会話するなって言ってたじゃん?」

 「そんときはそん時よ」

 いきなり喋れと言われても何を話したらいいのかわからん

 ?

 「それ新しいヘアピンか?」

 「そうだけど、何?」

 本当に会話をする気があるのだろうか?

 「あ〜、そのなんだお前に似合ってて可愛いと思うぞ」

 「え?」

 「え?」

 「こ、こっち見んな!会話すんな!キモイ!」

 と言うと麗凪は走って先に行ってしまった。

 「あっ、ちょおい!待てよ〜」

 「着いてくんな!」

 「全く…」

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