第二話【✨】
【ゲーム実況】リスナーの言う事は絶対です。ギャルゲー指示厨縛り
【神乃ヒカリ】
配信概要
ワゴンセールしてたギャルゲーが安かったから今日はこれをやっていくよ
配信の縛りとして選択肢が出たらライトメイトの意見を聞いて、パッと見で多かった意見を採用していくというもの
なのでどんな結末を迎えるかはライトメイト次第
といっても明日の学校もあるし1時間半くらいで配信を終わらせるつもりだけどね
ちなみに、通販サイトなんかの評価は最低ランクでゲーム史に名を残すレベルのクソゲーなんてコメントもあったね
どんなクソゲーなのかちょっと楽しみ
高評価⤴︎ 低評価⤵︎ チャンネル登録
『みなさん、こんライト〜。TS系Vtuberの神乃ヒカリです』
【こんライト?】
【こんばんは〜】
【やっぱ慣れねーなこの挨拶】
【告知無しとか珍しいね】
【こ◯ぺこ〜】
『慣れて!? 今後もこの挨拶でやっていくんだから! 後、伏せ字にするくらいならやらないでよ。俺消されちゃう! クソ雑魚個人勢なんて大手の前では風前の灯みたいなものだから!』
【畑】
【山】
【木】
【木】
【艸】
『相変わらず草が全然出てこないなぁ……後最後のなんて読むの?』
【さぁ? 知らね】
【顔文字では使われてるよね。読み方も意味も何も知らないけど】
【自分で調べれば?】
【くさって打ったら出てきたから多分くさ】
『くさって打つなら素直に草を使いなよ……。えーと、どこ行っちゃったっけ。あった。告知無しとか珍しいね。ってコメントに対しての答えだけど、配信ネタ探して中古ショップ行ったらワゴンセールやっててね。そこによく知らないギャルゲーがあったから、これをライトメイトに指示してもらいながらやったら面白くなるんじゃないかなってふと思ってね。それで急遽枠取って配信する事にしたの。そんなわけで突発的な事だから前回の配信では告知出来なかったわけ』
【なるほど】
【そういう事か】
【なーほーね】
【あー、たまによくあるよね。安いからってよく知らないのに買っちゃう事】
『たまに良くあるとかいう謎ワード。ま、そんなわけで今日はこのゲーム【ラブ・アーク・ファンタジー・インフィニティ】をやっていくよ』
【タイトルから漂うクソゲー感w】
【一眼でクソゲーと分かるタイトルしてるなw】
【というかギャルゲーなのにファンタジーなの?】
【あ、名前だけは聞いたことある。かなりのクソゲーらしいねそれ】
『なんでもRPGと恋愛シミュレーションと経営ゲームを掛け合わせてるらしい』
【?】
【まるで意味がわからんぞ】
【何をどうしたらそんな発想に……?】
【これは逆の意味で期待が持てるな】
【恋愛……経営? それにインフィニティって……ダメだ。全く想像がつかない】
『ねー。全然想像つかないよね。百聞は一見にしかずって事で、早速プレイしていこう』
〔真っ暗な画面に文字が浮かび上がると共に、無駄に渋い声のナレーションが流れる〕
《時は未来……いや、もしかしたら異世界なのかもしれない。だが、そんな事はどうでもいい》
『曖昧な上にどうでもいいのかよ!』
《今重要なのは、近い将来魔王が復活してしまうという事だ。魔王が復活して暴れてしまえば世界はなんかこう、ズギャギャーでゴボーンって感じに凄く大変な事になってしまうのだ》
『語彙が壊滅的に残念なんだけど!? これわざとだよね!? 流石にわざとだよね!?』
《魔王復活を阻止すべく、今1人の若者が立ち上がる》
『うーん。最初の導入の時点でクソゲー感溢れてるけど……もしかしてギャルゲーではなくてギャグゲーなのか?』
【言い得て妙】
【かもしれないな】
【まあ、スタートすらしてないからまだ分からないって】
【テンション上がってきたー!】
『いやいや、今のどこにテンション上がる要素あった!?』
「遅刻遅刻〜」
『ベタだなオイ』
【今時遅刻遅刻〜って】
【これ何年発売なんだ?】
【今もこの入りしてるラブコメってあるのかな?】
〔画面が切り替わり、遅刻しそうになり走っているというワンシーンのイラストが表示される〕
「このままじゃ完全に遅刻になってしまう! というか前が見えねえ!」
『って、主人公が遅刻してんのかい! しかもパン咥えてるし! 咥えるならせめて切っとけよ! なんで一斤丸々咥えてんだよ!』
【木】
【芝】
【藻】
【艸】
【これは、ツッコミを鍛える為のゲームなのか…?】
《この青年、アーク・シュヴァルツ・ヴァイス・ゼロノイズはどこにでもいるごく普通の農家の家に生まれ、幼馴染のアーシャ、リーシャという姉妹と幼年の頃を過ごし、成長した現在はアクアフォレスト王立学園第67分校に通っているごく普通の学生だ》
『名前の癖が強過ぎる!? 黒か白かはっきりしろよなぁもう!』
【信じられるか? これまだチュートリアルにも入ってないんだぜ?】
【ボケが渋滞し過ぎてて話進まないの荒野】
【これは多分ギャルゲー要素なんだ……きっと……恐らく……自信ないけど】
【草原の反対なんだろうけど、行き過ぎなんだよなぁw】
【自信ないって言っちゃったよ】
《そう遠くない未来、魔王が復活するという神の啓示を受けた事によって才ある若者を集めるべく世界各地に学校が作られ、その内の一つであるアクアフォレスト王立学園第67分校にアークは入学した。ごくごく普通で平凡で特筆するようなこともないありふれた王都どころか街に出る事すらないであろう地方の村の農家の倅が学園に通えているのはそういう理由があるのだ》
『急に毒吐くのなんなの!? 確かに農家の家に生まれってのと学園ってのが結びつかなくてなんでだろうとは思ってたけどさ……えぇ……?』
〔ゲームの画面が切り替わり、先程までの遅刻風景シーンからドットで構成されたフィールドマップへと移行する。どうやら主人公は森の中にいるようで木々の迷路を進んでいく〕
『なんで森の中!? 普通は街中じゃないの!?』
【このゲームが分からない……というかシナリオ考えた人の頭の中が分からない……】
【なんでこれで発売出来たんだ……?】
【魔王対策の学園だから、実地訓練してるのかな?】
【というか同人ならまだしも企業で今時ドットて……】
〔チュートリアルに入ったからなのか、キャラクターは勝手に動きモンスターを表すシンボルへと突撃していく〕
『あ、これエンカウント方式じゃなくてシンボル方式なんだ……って、戦闘画面の画質良過ぎ! フィールドマップも気合入れて作れよな!』
〔画面にはRPGでは定番のコマンド選択式のウィンドウが表示され、主人公と対面するモンスターがLive2Dによって躍動感にあふれた動きをしている〕
『このゲームが分からない……というか遅刻しそうでパン咥えて走って、それで出会ったのがモンスターってどういう事?』
【要素組み合わせ過ぎた結果迷走してるなぁ】
【ツッコミどころ多過ぎてヒカリを弄る暇がない……】
【というか未だに選択肢がひとつもない件について】
【ギャルゲーのギャル要素まだ?】
〔戦闘のチュートリアルを終えて更に森の奥へと進む主人公。一つマップを移動するとそこには焚き火を囲むようにして4人の人物がいた〕
「もー、やっと来たわね」
《彼女はクーリア・ストーンズ。本作のメインヒロインの友人その一。攻略対象でもある》
「15分の遅刻です。今すぐ先生に報告させていただきます。先生、アーク君が遅刻です」
《彼女はライト・セイヴァー。本作のメインヒロインの友人その二。攻略対象でもある》
「うん、見てたからね……というか私も待ってたんだから言われるまでもなく分かってるから……」
《彼女はアメリア・ターコイズ。主人公達のクラス担任であり学生時代にはファンクラブがあったほどの美貌でありながらもその事は鼻にかけず、勤勉で優しい性格の持ち主で、かくいう私も陰ながら応援していたり……。ちなみにファンクラブナンバーは18で、20以下は初期のメンバーという事もあり一目置かれる存在でした。不本意ながらこの子も攻略対象です》
『ちょいちょいちょいちょい! ナレーションさん!? なんか余計な情報が多いんですけど!? 何感情移入しちゃってんのさ!』
【ナレーションさん私情持ち込まないでw】
【くっ! 俺はナンバー216だっていうのに……ナレーションさんすげーよ】
【何気にライト・セイヴァーって名前もヤバいよな。本人もポンコツでちょっとヤバそうだけど】
【でも今の所アメリアが一番癖に刺さるしナレーションさんとはいい酒飲めそう。特にパンツスーツスタイルでお尻のラインがしっかり出てるのがいい】
【というかナレーションさんは何者なんだよ! 先生の同級生か何か!?】
【安定の全裸ニキだった……】
「遅いよアー君」
「遅いぞアー君」
《この2人はアーシャ・リングスとリーシャ・リングス。例の姉妹》
『短っ!』
【落差w】
【アメリアとの差よw】
【雑だなおいw】
【姉妹でぺぇのサイズに差があるのは王道だな】
【というかどっちが姉でどっちが妹?】
【よく似てるし双子か何かか?】
【何の王道だよw】
「少々遅れましたが、これより実地訓練を開始します。一つ目の訓練は2人1組となり指定の薬草を採ってくる事。この第六班は5人だから足りないところには私が入ります」
[誰と一緒にペアになる?]
[クーリア]←
[ライト]
[美人女教師、アメリア・ターコイズ女史]
[アーシャ]
[リーシャ]
『俺はツッコまないぞ〜。色々ありつつも、ようやく選択肢が出たね。というわけでライトメイトのみんな、最初の選択任せたよ。上から順番に数字を振ってそれで答えてくれればいいから。クーリアなら1、ライトなら2みたいにさ』
【3以外ありえない】
【1】
【1】
【4】
【5】
【3】
【ナレーション相手にBSS仕掛けようぜ! というわけで3】
【2】
【見た目的には2だけど面白そうだから3】
【3番のアメリアで】
『んー、3が多い感じだし3で行こうかな』
《ちっ!》
『舌打ちしたよ……』
「え? 私とですか? 分かりました。一教師としてしっかりと教えさせていただきますね」
〔アメリアが一時的にパーティメンバーに加わり、パーティの仕様についての説明が入る〕
『まあ、この辺は定番だよね。というかこの説明なくても分かっちゃうね』
【一応、RPG初めてって人がいるかもしれないし】
【スキップしたいと何度思った事か】
【そして仲間が増えると序盤の仲間は全員馬車送りに……】
【やめろ……悲しくなるから】
【アメリアの装備を全部外すと面白いことになるよ】
『え? 装備を……?』
〔装備画面が開かれ、アメリアの装備を全て外すと装備画面に表示されているアメリアの格好が変化して下着姿になる〕
『ちょっ、まっ、ええ!? これどういう事!?』
【ヒロインを編成に入れると装備してる物が立ち絵に反映されるって公式サイトに書いてあった】
【下着姿キター】
【しかし随分と地味な下着だな】
【野暮ったい……大人ならもっと大胆なの着ようよ】
【公式グッジョブ!】
【このゲームのレーティングっていくつ?】
『レーティングは一応Cだけど……というか公式サイトでこれ表示してるのやばくない!?』
【そこはほら、一応ギャルゲーだから女の子を好きになってもらう必要があるから】
【何とか下着も無くしたり出来ない?】
【まあ、男なら食いつく可能性はあるし……】
【でもこういうの好きなんでしょ?】
『そりゃまあ、元男ですし、こういうのは嬉しいよ……でもBANが……人生初BANが思いつきの配信なんてやだ……』
【茎】
【葉】
【花】
【木】
【木】
〔フィールド内でのアイテム入手に関するチュートリアルが行われ、その際にレベリングする為にモンスターとの戦闘も繰り返される〕
『やっぱり異様だなぁ。下着姿で戦闘してるのは。あ、レベル上がってスキル覚えた』
《アークはスキル 滅多刺し を覚えた》
『名前のエグさ! と、ごめんなんだけど、ちょっとトイレ行ってくる』
【いてら〜】
【いってらっしゃい】
【大丈夫? 飲もうか?】
【空きペットボトルとかないの?】
【飲むのは流石に上級者すぎだろw】
【ゆっくりでいいよ】
【空きペットボトルw】
〔神乃ヒカリが消え、ゲーム画面だけが残る〕
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