信じる

どうせ、どうせっ…

みんな僕の趣味なんか分かってくれないんだ。

みんなみんなみんなっ


一この世から居なくなっちゃえばいいのに。


本当に、些細なことだった。

それだけで居なくなっちゃえばいいのになんて…


「は、ははっ」


笑っちゃうな。

僕なんていなくなっていいんじゃないか?


いや、まだ、まだ僕には好きな人からがいる

いまここで死んではいけない


こうやって何回乗り越えてきただろうか


テレビでも見るか。とてもじゃないが今はさくらの配信を見る気にはなれない。

テレビをつけた。そこには今を生きるのが辛いというとある配信者の物語が写し出されていた。

僕はそのテレビに釘付けになった。


なぜならその配信者があの転校生だったから。


何故か怒りは収まっていた。テレビに映る女の人が言った。



「私は誰にも話しかけてもらえませんでした。誰にも認めてもらえませんでした。」



「私の趣味を。やりたいことを。」


「出会ってきた人たち、みんなが私のことなんか知らん振りして。

 何度も挫けそうになりました。

 それでもここまで生きてきました。それは、多分。


 認めてくれる人を探していたから。

 私のことを分かってくれる人がいてほしかったから。だと思います。」



見つけた。見つけたよ。僕はあなたの気持ちが痛いほどわかるよ。


気づけば僕は走り出していた。暗い夜の街を。

転校生が来た日に見つけた、新しい家に向かって。


「待っていてね」

星が輝く夜空に向かってそう小さく呟いて。





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