赤銅色の空に誓う

NEURAL OVERLAP

第1話 二人の理想

「……もうすぐだね?」

 太陽の日差しがリビングを照りつける中、朝食のパンをかじりながら、春樹はるきは父親に問いかけた。

「ああ、もうすぐつながる。今日の夕刻ゆうこく

 ――秋菜に会える――


「いよいよ今日ね」

 ――ウォウ!――

 暗闇の街灯がいとうの下、散歩に出た秋菜あきなは興奮するハルをでながら、昔を思い出していた。

 ――春樹に会いたい――


 人が人に寄せる想い。それはとうとく、次元を超えてつながる。

 勇気と決意。それは時空を、宇宙を変える可能性を秘めている。


 僕が変える

 私が変わる


「いつか二人の理想を求めて、ひとつになる世界を」


 赤い果実の実る日が訪れる。

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