『THE GREATEST SALESMAN IN THE WORLD』について
以下は自分の好きな本を紹介した時(書評集)に、書いた文章です。バックアップの記録を見ると、2018年の1月31日に書いているようです。
今回、自分の書架に置いている本を紹介したのですが、その中にオグ・マンディーノの『THE GREATEST SALESMAN IN THE WORLD』を含めたので、訳書であり、当時読んでいた『世界最強の商人』の感想をアップしておきます。
………
【タイトル】
『世界最強の商人』 オグ・マンディーノ、山川紘矢・山川亜希子 訳
【公開状態】
下書き
【作成日時】
2018-01-31 21:54:19(+09:00)
【公開日時】
2018-01-31 23:08:34(+09:00)
【更新日時】
2020-02-07 23:52:00(+09:00)
【文字数】
2,590文字
【本文(68行)】
『世界最強の商人』
オグ・マンディーノ、山川紘矢・山川亜希子 訳
平成26年11月25日
角川文庫
一時、『世界最強の商人』という本を、やたらめったら読んでいたことがあります。角川文庫から出ている本です。
この本は基本はキリスト教に深い関係のある本だから、キリスト教に対して敵愾心を持っている人とかには向かないかもしれないです。でも、この中の『十の巻物』という部分はとても秀逸です。自分は、この十の巻物だけは読む価値があると思っています。
気がついたとき、僕はこの中の十の巻物を徹底して読んでいました。それも声を出して。
文中にはこうあります。ちょっと長いが引用します、許してください。
「私はそれぞれの巻物を30日間、ここに規定された方法で読み続ける。そしてそれを終えるまでは、次の巻物に進んではならない。
まず朝起きたとき、これらの言葉を黙読する。そして一日の終わり、眠りにつく前にもう一度読む。重要なことは、この3回目には声に出して読むということだ。そして、次の日、私はこのやり方をまた繰り返す。これを30日間続けるのだ。
その後でやっと次の巻物に移り、このやり方をまた30日間続ける。このようにして、それぞれの巻物とともに30日間一緒に生活して、巻物を読むことが習慣になるまで、このやり方をつづけるのだ。」
僕は最初この本を読んだとき、この部分をさらりと読み飛ばしてしまっていました。声に出して読むということ自体を気にしませんでした。他の部分を読んで、宗教色の強い本だな、参考程度にとどめておこう、そう思って放っておくだけでした。
しかしある日、たまたまこの部分が気になりました。そう、完全な偶然でした。僕はこの巻物を声に出して読む、というフレーズが気になって、そこで声に出して読み始めました。
最初は声に出してしか読まなかったのです。巻物の10巻すべてを気まぐれに声に出して読み通していくことしかしませんでした。しかし体や頭にしみこむように、言葉が入ってくるようになりました。
次に巻物を分けて読むようになりました。1巻、2巻、3巻と、分けて読むようになり、一日に3回読むようになりました。そして最後には、書いてある方法のとおりで読むようになっていました。その効果について、本ではこう書いてあります。
「ではこのようにしてできた習慣で何が達成できるのだろうか?
ここにすべての人の成功の秘密がある。毎日これらの言葉を繰り返すことによって、それはすぐに私の顕在意識の一部となる。しかし、もっと重要なことは、それが私のもう一つの意識の中にしみこんでゆくということだ。その意識は決して眠らない神秘の源であり、私の夢を創造し、しばしば私には理解できないやり方で私を行動させる場所なのだ。」
これらの言葉を繰り返すことによって、私には理解できないやり方で『言葉が』私を行動させる、あなたはこれを、信じますか?
あなたはこの本を読んでみますか?宗教を読み替え、自分の読み方で読んでみますか?あなたが読むか、読まないか、その時、運命の力は動きます。この本の人を惹きつける力、運命を呼ぶ力、言葉の力はもう働き始めているのです。
『言霊』というものを聞いたことがあるでしょうか。言葉に宿る力のことです。オグ・マンディーノは「この本の言葉には力が宿っている」、そういっていますが、僕はこう読み替えたいです。「すべての本の言葉に力が宿っている」、「すべての人の言葉に力が宿っている」、と。そして本や、人というものは、また人を引き寄せるものだと。あなたを本や小説は呼んでいる、待っているのだと。
そして僕を待っていてくれる本があるだろうし、これまで僕が出会った小説や本も、僕を待っていてくれたのではないかと思うのです。
アファメーション、という言葉を聞いたことがある人はあるでしょうか。アファメーションとはポジティブな言葉をシャワーのように自分に言い聞かせることによって、運命を切り開いていく方法です。まあ、結構、スピリチュアルな話になりますね。
ただ言葉に宿る力があり、その言葉を選択することで運命が変わるということはあるんじゃないか、そんなことも考えたりするんです。
日本語というのは優れた感情表現の豊さ、多彩さを持っているから、その喚起力によって、あなたを鼓舞し、あなたを励まし、毎日の困難に、よし、やってやろうとさせる、そう向かわせる力や方法を秘めていることもあると思うのです。あなたはその力を引き出してみませんか。
ことばには無限の力が秘められています。その力を引き出してみませんか?
そしてオグ・マンディーノのこの本は、そういう強い力を持っている本の一つかもしれない、そうは思っています。
オグ・マンディーノという人は非常に苦労した人だと聞いています。
あとがきによると、ですが、もともとは移民の子として産まれ、母がなくなったために大学への入学を断念、軍隊での経験をして貯金を積んだあと、セールスマンとして平凡な生活を営んでいたものの離婚、アルコールへ耽溺、自殺願望をもったようです。そして人生のどん底へ向かいます。
しかし彼は立ち直り、甦りました。その経験が生かされ、込められたのが、この『世界最強の商人』なのです。彼のやさしい視線、誰かに自分の経験を伝えたいという想いが詰まっているようにも思います。
自分はキリスト教徒ではありませんので他の部分は読み飛ばしたりしているのですが、人の生き方や、考え方として、学ぶべきことがこの本には込められていると思っています。
この本はセールスマンを題材とし、『商人』という名前がついていますが、実際は多くの人へとむけた書かれた本で、非常に読みやすい本です。
あなたが僕の書くこの紹介を読んでみよう、エッセイに触れてみよう、そう思った時点で、あなたにもう運命の魔法は働きかけているのかもしれません。
そして、全ての本が、全ての人の人生があなたにつながり、あなたに働きかけているのかもしれません。
本を読むことで、あなたの人生を豊かにしてください、あなたの人生を強くしてください、よりよくしてください。
これから力不足かもしれないですけれど、本をめぐる冒険を、少ししてみたいと思っています。どんな本を紹介できるかわかりません。ただお付き合いいただければ幸いです。
あなたの人生が、より素晴らしいものとなりますように。
………
この文章を書いてから、7年が経ちました。
自分は幸せになったと感じています。転職を経験し、資産も増えました。その過程で、角川文庫版の『世界最強の商人』から、原著の『THE GREATEST SALESMAN IN THE WORLD』に、読む本をかえました。Amazonだと、Kindleで1100円で買えます。自分は、AppleのBooksのアプリを使っていますが。オーディオブックも持っています。
この本には、他に『地上最強の商人』というバージョンもあるのですが、自分は角川版から原著に辿り着きました。
その過程で、繰り返し読むのが第2巻から第10巻までの9巻であることや、巻物の部分以外にも、重要な箇所がいくつもあり、読み返すに足ること、ユダヤ教のラビが推薦文を書いていること、一気に読んだり、繰り返し読むなど、自由な読み方があることを知りました。
またマンディーノがハフィッドに、「自分の利益の半分を常に貧しい人々に与えるようにしている」と語らせている部分などにも目が行くようになりました。
巻物を読む時、朝、昼、夜の3回、決まった時間に、というふうに書かれていると思いますが、アファーメーション(自己肯定予言)の習慣を、毎日つけるのならば、ある程度融通はきく、何回読んでもいいし、何回声に出してもいい(自分は2回読んでいます)、そう考えるようになりました。
ただ、この本を手に取る人は限られているし、実践する人は少ないと思います。何人かに勧めましたが、鼻で笑われましたから。ハフィッドが、巻物を伝える人物を探したのも、今となってはそうだろうな、と思っています。
これから先どうなるかわかりません、でも、今、僕は幸せです。そして幸せになるための努力を続けたいと思っています。この本を信じるのは、間違っているのでしょうか?わかりませんが、習慣をもう少し続けてみたいと思っています。
2024.11.3
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