第4話

 リコが耳に取り付けた通信機でトコに呼び掛けていた。

「トコ、準備はいい?」

 トコは雑居ビルの屋上に不時着すると、倉庫の見える網フェンスの前で、背中に担いだギターケースを下した。

 ケースの蓋を開けると、中からスナイパーライフルを取り出し超長距離スコープを取り付ける。

 ライフルを固定し、冷たいコンクリートの床に腹ばいになると通信機に語りかけた。

「準備……完了」


「了解、ハナビ」リコはハナビに向けて、クイッと指差しサインを送った。

 ハナビはコクリと頷くと、ミサイルランチャーを肩に乗せ、煉瓦倉庫に照準を合わせた。


「派手に行くよ」

 トリガースイッチを押すと、砲口から激しい炎を噴き出しながら、ミサイルが発射された。


 赤外線スコープを覗いていた傭兵は、自分に向かってくる物体を確認して声をあげた。

「やばい……ミサイルだ。逃げろ!」

 二人の傭兵が小銃を放り出し、慌ててその場から逃げようと走り出すがミサイルは倉庫に直撃し、爆音とともに盛大な火花がまばたいた。傭兵達は損壊した瓦礫とともに爆風に吹き飛ばされた。

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