デイダラボッチの復活/巨人伝説研究家<角田六郎>の事件簿5
坂崎文明
デイダラボッチの正体
「
助手の
時刻は早朝四時過ぎである。
彼は今年、四十五歳で体力も下り坂、白髪交じりのボサボサ頭のメガネをかけたオタクっぼい研究者である。
普段は背広姿だが、今日は濃い茶色の作業服にジャンパーを羽織っていて、登山靴である。
もう12月なので、かなり寒くなっている。
だが、巨人伝説研究家というのは表の顔であり、その本当の仕事は巨人の骨の隠蔽や保管、世論操作や偽装工作である。
1926年に世界の考古学会を中心に「巨人保護法」が密かに制定された。
巨人の骨は中東やアフリカ、米国などの各地で発見されていたが、やはり、色々な不都合があり、政府としては隠蔽する世界的な方針が打ち出された。
それ以来、巨人の骨が出る度に、博物館などの公的機関は密かに巨人の骨を回収し、
未確認飛行物体(UFO)などは最近、解禁されたが、あれはあれで更なる事実を隠蔽する仕掛けのひとつでもあった。
最近、この東京の武蔵野周辺でも巨人の遺体が高尾山の山の中腹から出土したり、巨人が復活する事件が多発してるのだが、
「でいだらぼっち、ダイランボウ、だいだらぼう、でいらんぼう、だいらぼう、デエダラボッチ、デイラボッチ、デイラボッチャ、デーラボッチャ、デエラボッチ、デーラボッチ、タイタンボウ、デエデエボウ、デイデンボメ、ダイトウボウシ、レイラボッチ、ダダ星、おおきいぼちゃぼちゃ、などの呼び名があるが、一見、ばらばらの様に見えて、法則性がある。概ね、【だい】系の呼び名と【デイ】系の名前に分かれている」
「確かに。なるほど。漢字表記だと、
助手の
その瞳は薄茶色で、時折、黄金色に見えることもある。
青森出身なので、ロシアとか白人の血が入ってるのかもしれない。
「おそらく、デイダラボッチというのは
「確かに、韓国語では『はい』の発音は『デェー』ですもんねえ。良く出てくるし。そうなると、
「まあ、あの辺りは『武相国境』といって、相模国と武蔵国の国境だったんだけど、『タタラ師』の通った道でもあると言われている。だから、『金』のつく地名や『鍛冶屋』という屋号をもつ家、先祖が金物師だという家がとても多い。金井、大たら、鍛冶ケ谷、金沢区の釜利谷、かねくそ沢などの地名もあるしな」
こちらはスマホで何か検索でもしたらしく、スマホ画面を眺めている。
「そろそろ、多摩川学園に着きますが、わざわざ、金沢学園長が出迎えてくれてるようです。
「『
「本当の正体?」
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