ある日の会話

「そういえば、二人って親どんな感じだったの？」

「急にどうしたんだ」

「前俺の両親が料理人だって話はしただろ？」

「うん」

「ふと二人はどうなんだろうって思ってさ」

「あー…どう言おうか」

「私たち、この町の近くの村…っていうか名前もないほど小さな集落で生まれたんだけど」

「そうだったのか」

「私たちの村結構特殊らしくてさ、父母の概念がないんだよね」

「えっ……」

「なんか昔、生まれる子どもが超少なかったらしいぜ。生まれたらみんなで祀り上げるレベルで育ててたんだってよ」

「その風習が現代に残っちゃって、今もこう……村全体で子どもを育てる！みたいになってる」

「面白いな。今度遊びに行ってみるか」

「いやなんもないから来なくていいよ……」

「えー……せっかくなんだからさ、こんにちはー仲間やらせてもらってます！デリスですーみたいなのしたい」

「まぁいつかな」

「いつかって、それ絶対行かないやつじゃん」

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい