私の異常な妄信 または私は如何にして心配するのを止めてカクヨムを愛するようになったか
北浦十五
第1章 今年もまた
今年もこの時期がやって来た。
カクヨムコンと言う私にとっては精神的にヤバイ状態に追い込まれていた時期が。
ここでは反省も踏まえて1年前の事を書こうと思う。
当時の私はカクヨムに投稿し始めて1年くらいが経とうとしていた。
それなりに読んで下さる方も増え、★評価も付けて頂いていた。
とは言ってもPVは200くらいで★も全作品で30くらいだった。
カクヨムの中では底辺中の底辺でランキングも400位くらいをウロウロしていた。私の書いていたジャンルでは私より下の人は100人も居なかったと思う。
それでも6年前に投稿していた「なろう」よりは遥かにマシだったので、私は6年振りに投稿を始め趣味として楽しんでいた。少しずつではあるが親交を深める人達も増えて行き、その方々はとても良識のある素晴らしい方々だったので私は現状に満足していた。
そんな時だった。
カクヨムコンとか言うコンテストが開催される事を知ったのは。
よせば良いのに私は野心を持ってしまったのである。
このカクヨムコンで上位に行けたら私の作品をプロの編集者の人に読んで貰えるかも知れない。
私の作品の何処がダメなのか、を指摘して貰えるかも知れない。
と。
しかし、第1次選考が読者選考と言う事がひっかかった。
私は、これはランキング上位に来る事なんだなと理解した。
「えっ! 小説の優劣を読者の人気投票で決めるの? そんなの一昔前のアイドルグループの総選挙みたいじゃん」と思った事を今でもよく覚えている。
私の少し足りない灰色の脳細胞の中に疑問が湧き起こった。
例えランキング上位に来たとしてもスマホやパソコンで読んでいる人達が、書籍化されたからと言ってわざわざ本屋さんに行って購入するのだろうか? アマゾンでお金を払って購入するのだろうか? 私ならそんな手間のかかる事なんてしないよぉ。
と。
そもそも私はあまり読書をしない。
子供の頃はよく本を読んでいた。小学生の時に子供向けでは無い「吾輩は猫である」や「老人と海」などを読破した。学生時代はSFを主にして、それなりに読んでいた。学校の成績はお世辞にも良いとは言えなかったが現国だけは良かった。
だって問題の中に答えが書いてあるんだもん。
しかし、社会人となり多忙になった事もあり読書からは遠ざかっていた。
それでも文章を読んだり書いたりするのは好きだった。
それで、一念発起して6年前に「なろう」に小説を投稿してみた。
結果は散々で私の作品は全く見向きもされず「アンタらに私の作品が判ってたまるか」と負け犬の遠吠えをして筆をへし折り「なろう」の事は今では全く知らない。
話が少し脱線したので元に戻そう。
とにかくカクヨムコンで第1次選考を突破する為にはランキング上位にならなければダメらしい、と言う事は何となく理解した。
そこで私は今まであまり興味も無かったランキングについて調べてみる事にした。
この時の私は、これから待ち受ける精神的ダメージでヤバイ事になるとは知る由も無かった。
つづく
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