第13話 戦いのサーカス(2)
※この話には危険な行為があります。決して再現しませんように、お願い致します。
______________________________________
「カガリン! あのおっさん、マジヤバだからカガリンは行っちゃダメだよ!」
「お、お姉ちゃん……。 どいてください! 私は武命さんを助けます!」
対して
「カガリン、まだそんな古い武器使ってるの? 武術だって進化しているんだよ?」
「お、お姉ちゃん、ごめんなさい!!」
「手裏剣ありがとう、カガリン! これはお返しね」
燈がワイヤー
「
「わ、私は武命さんのところへ行きます! お姉ちゃんはどいて下さい!」
「……そんなに、たけるんが好きなの? だったらさ、戦いが終わったら会いに行けばいいじゃん」 (その時は病室の中かもしれないけど)
「…………もらったんです」
「え?」
「武命さんに教えてもらったんです。何かを手に入れる為には覚悟が必要だって!」
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
しかし、それはアビーの予想通りだった。自分より体格のいい人間に飛びつき技を仕掛けるのだから、床や壁に叩きつけられる事は分かっていた。
アビーは腕は使えないものの、腹筋を使い体を丸め受け身を試みる。
ドンッ!! 背中を芝生に叩きつけられるが、関節技は外れない!
「勝った!!」 アビーが勝利を確信した。 ……その瞬間だった。
航平の親指による
地面に叩きつける瞬間、受け身をとったアビーの頭は航平の手に近づくことになった。
その瞬間、鍛えられた航平の親指はアビーの喉の奥、
アビーは命の危険を感じ、技を解いて航平の腕を掴み抵抗する。
しかし、航平の手は離れない。それどころか両手でアビーの首を絞め始める。
「手を離しなさい!」 アリスが航平に杖を突きつける。
ゴキッ! 交渉の余地がある事を期待していたアリスは、冷淡に拒絶される。
アビーの喉の軟骨が脱臼する音が鳴る。アリスには聞こえなかったが、アビーの様子でそれが分かる。
「ガアッ! がはっ!!」
アビーは地面に落とされると、口をパクパクとさせている。しかし
「…………」 アリスは怒れば怒るほど冷静になる。冷静に、杖による突きを航平の腹に打ち込む!
航平は当たり前のように突きを捌き、両手で杖を掴む。アリスが
しかし、航平の掴みも全く力みが無い。
打撃が来ることを予見したアリスは杖に回転を加えて、杖を握る航平の手を捻り落とそうとする。
その瞬間、航平はアリスが回転させた杖をさらに回転させる。「合気」という文字の如く、タイミングが完璧に合う。 全くの脱力状態からの
アリスの手は一瞬で捻られ、肘関節が伸び、肩まで固まってしまう。棒のように固まってしまった腕に、航平は体当たりを入れる!
ゴキリッ! アビーが聞いた音より大きい音を、アリスは聞く事になった。
アリスの肩は外れ、肩と肘の
(この
アリスはこれ以上戦うのは
航平は腕が上がらなくなったアリスに
「死ねやおっさん!! ドォラアァ!!」 タツトラがその手に棒を打ち込む!
航平は手を引き、あっさり避ける。杖は弾き飛ばされる。
「大丈夫か、アリス!?」 「大丈夫じゃないけど、助かったよ! ありがとう」
アリスはアビーの元へ駆け寄る。 タツトラは航平を威嚇する。
「君が、
「んンだと!? テメエ!!」 タツトラが棒で正面から打ち込む!
バチィッ!! 棒は航平のヌンチャクを「
「んなっ!?」 タツトラは見るからに動揺している。
「ほら、
航平はタツトラの棒を両手で掴む。ズシリと重さがタツトラに伝わる。
「タツトラ君、この棒は『
「!?」 タツトラが驚く。実際にタツトラの「棒」は内部に
「残念ですが、君はここで退場です」
航平がタツトラの両手を握る。 手首の急所を攻められて、関節が悲鳴をあげる。
「へっ! 残念なのはテメーだよ。 ……
水平に押さえ込まれた腕ごと、仕込み杖を航平に押し付ける。 同時に、鞘から刃を抜く!
航平が抑えている筈なのに、まるで抵抗なく、当たり前のように刃が抜かれる。 そして抜く動作そのものが攻撃でもある。 一の動作で全てが完成する。
タツトラの一番の得意技は「
ズバァッ!! 一瞬で本物の刃が航平の体表を走る!
タツトラは自分が遂に、人を斬り殺してしまった感傷に
「素晴らしい!」 航平が歓喜の声を上げる。
「何っ!?」 タツトラは急に現実に戻される。慌てて、抜いた刃で斬ろうとする。
瞬時に航平はタツトラの手首に手刀を打ち込む! 打った手が滑らかにタツトラの関節を極め、仕込み杖を奪い取り地面に突き刺す。
「な、なんで!?」 タツトラが見ると、航平のブルゾンとシャツはスッパリ斬れていた。 しかし、インナーのシャツは斬れていない。
「
「ば、バカな!? 無傷なのか?」 タツトラは
「打撃力はなかった
プレゼントでも貰ったかのように嬉しそうな航平の腕が、タツトラの首へ伸びる。
「でも、これで本当に退場ですね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます