第3話 「明治の木村」の頭突き 関西人のノリのよさ
この「頭突き」というのは、今年5月の大会で「明治の突貫小僧」がやっていた、ケンカ拳法というか奇襲攻撃です。日本映画「悪名」の主人公「朝やん(勝新太郎)」が得意とする、ケンカにおけるお馴染みの戦法ですね。
日本拳法では奇策とも言うべき、この「頭突き」を、あの「明治の木村」がやる。
これが驚きであり、私はあらためて「大阪人(関西人)というのは、おもろいやっちゃなぁー」と思いました。
これをいきなりやられた大商大の選手も一本取られて、目を丸くして(呆然としている)ように見えました。
別に、相手をバカにしているわけではなく、楽しんで拳法をやっている。「明治の木村」というブランドをかなぐり捨てて、素のままの男としてケンカに没頭している。
結構、むきになってやってましたね。
この何でも一生懸命にやるところが「明治の木村」のいいところだと、私は思います。
大阪府立登美丘高等学校のダンス部が、2017年のダンス甲子園で演技する(おばちゃんダンス)直前、キャプテンがこう言います「絶対、笑かしてやるんや」と。
関東人だと「みんな、これが最後の戦いだ。思いっきり踊ろう。」なんていうことになるんでしょうが、さすが大阪人は「思いっきり笑わしてやろう」という檄をいれるんです。
「思いっきりバカになる」というスタイルで、死に物狂いで戦う。これが大阪人の「ど性骨」なんですね。
あの登美丘高校のキャプテンと同じく、観客を大爆笑させるくらい「真剣に戦う」という気迫、これを、決勝戦での「明治の木村」に私は見ました。
私は大笑いし、そして「明治の木村」というのは「大したやっちゃな」と尊敬しました。
遊びで戦うのではなく、カッコつけて戦うのでもない。あくまで真剣に(頭突きなんていう奇策)で戦うことで、単に勝つだけではなく、そこに、作り物ではないごく自然な笑いを引き出す。これが関西流・大阪人スタイルの「ど性骨」。
やはり、直線一本やりの私たち関東人とは、人間のこなれ具合が一枚上手ですね。
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