第8話 肉食系であるがゆえのデメリット~非モテ女子、悪意を見極める~

 もうすぐバレンタイン……。

 なので久し振りに、非モテ女子シリーズを書くことにした。


 とは言ってもあの「チョコレート祭り」に、まともな思い出など1つもない。

 なので今回は私が実際に直面した、肉食系ならではの「デメリット」を話したいと思う。




 肉食系女子……そう聞くと、人はどんなイメージを持つのだろうか? 


 適当な聞き込みと調査の結果――「貪欲」「積極的」「露出」「過度なスキンシップ」「狩り」等々、少々キツい言葉が並んだ。


 でもまあ、ほぼほぼ正解……だがしかしっ! 勘違いをしないで欲しい。


「決して『誰でもいい』わけではないっ!」


 とりわけ男性に、そこんとこを大きく勘違いしているのが多いと感じる。

 肉食系だと勘づいた途端にギアを入れる連中と、私は何度も遭遇した。


 傍から見れば「肉食系はモテる?」なんて思うかも知れないが、現実は全くもって違う。

 この場合――大抵言い寄ってくるのは、彼女持ちか既婚者だ。


 つまり私は「捨てられる前提の」遊び相手候補となる。


 そんな罪悪感も責任感もない奴等からの誘い。

 特に既婚者は「通常?」に比べて、それはそれは酷いものだった。


 では何がどう通常よりも「酷い」のか?

 実例を元に説明をしよう。

 

 

 その昔、知り合いに既婚者と交際をしていた女性がいた。まだSNSが身近に無い時代……彼女は2年もの間、自分の恋人が妻子持ちだと気付かなかったのだ。


 些細な違和感から交際相手が既婚者だと知った彼女。無論、迷うことなく別れを選んだ。


 既婚者であるかつての彼は、細かい所に気の利くとても優しい男性だったらしい。

 だとしても、独身と偽り続けた事実と別れ際の大号泣を聞くに、少なくとも「愛」はあったのだと思う。


 一方で、私(肉食系女子)に対する既婚者からのアプローチは、最初から偽り抜きの「正面突破」が基本だ。

 つまり左手薬指に指輪をはめたまんま、お付き合いを求めてくる。



 具体例その1――「俺には家族(妻や子供)がいるけど、まきおさん幸せにします!」と真剣に猛アピールをする仕事関係者。


 具体例その2――何をどう勘違いしたのか? 「お前が『付き合いたい』と言えば、考えてやってもいい」と夜中に20通ものメールを送りつけ、謎アピールをする上司。


 中でも一番度肝を抜かれた、具体例その3――それはチャイルドシートを乗せたファミリーカーの運転席から「体の関係を持たないか?」と外の私へふざけたアピールをする、初対面の男(友達の友達)だった。


 地元のファミレスで、友人数名と食事をしていた際にたまたま居合わせた、真面目そうな男。


 友人に「借り物(何か忘れた)を返したい」と言うので、皆で彼の家へ立ち寄った。


 ふと私が外で1人になった時、自身の新築一戸建てをバックに、小声で「愛人交渉」をしてきたこの男……「一発殴るか?」それとも「そのまま奥様へお知らせに行こうか?」と、本気で考えた。



 2人きりで会った事もない浅い関係の既婚者が、どうしてこうも寄ってくるのだろう?


 悩みを女友達に打ち明けると、その謎は速攻で解けた。


 昔話なので細かい台詞は忘れたが、ショックを受けたのは覚えている。要はその振る舞いや雰囲気から「私が肉食系女子だと分かる」そうだ。


 友人は、私が肉食系だと知っている。

 だからこそ「言動を見直した方が良い」と、的確なアドバイスをくれた。


 (なるほどっ! 原因は『自分の本質』にあったのか!)


 それからの私は、なるべく大人しい? 立ち振舞いを心掛けた。たがあまり効果は見られず、結局年を取るまで「肉食系」を完全に取り除く事は出来なかった。


 肉食系でも、オンオフを上手に切り替えられる器用な人間もいる。

 どうやら私は、不器用なタイプだったらしい……。


 

 以上が、経験から学んだ「肉食系」のデメリットだ。

 

 草食またはノーマルの皆さんも「恋愛に積極的」な時期は、言い寄ってくる人間(恋愛対象者)に十分注意をしてほしい。

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