15話  お話の勝手口 『デッサン!』

 Mは『デッサン!』という作品を、小説投稿サイトに公開した。(2023年10月現在非公開)

 微毒な母親と己の才能に葛藤する女子の話で、10代らしい、ほのかな恋をからめたかった。

 

 ヒロインの白井亜紀しらいあきは青木とくっつく予定

 違うタイプの男子二人に心惹かれる女子という、〈テンプレ〉な状況が書いてみたかった。夏休みの宿題的に。

 それが、なぜか青木が小日向を、ごっつ好きな感じで眺めている筆の運びになる。


 Mはわかっていた。

 とある小説にひきずられていることに。


 その小説では男子が水泳部に属していて、〇〇なんだ。

 それでもって無料で読める範囲でしか読んでいない(すいません)のに、Mの中では「水泳部=〇〇」ぐらいに衝撃波を受けてしまった。


 ※その小説を読んだ時点では『デッサン!』は別サイトで発表していた

  (現在非公開)

  その後 こちらのサイトで改稿 


 〈体育祭で腰に浮き輪をつけて走る水泳部部長〉という絵面えづらを書きたかっただけなのに。

 どうやっても、青木が小日向をアツい視線でみつめてしまう。


 大学に行っても、青木は小日向をみつめてしまっている。


 もうBとLの世界に行くしかないんだろうか。

 時をさかのぼって、青木には剣道部に入ってもらった方がいいんだろうか。

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