14話  春の河辺

 若君は休みとなると、付近を歩きに行く。


 そのとき行った先は河辺で。

 菜の花など咲いていたかもしれない。

 犬の散歩に来ていた親子連れ。

 そこにいる川守かわもり。

 行きずりの若君。


 子供が、川守かわもりに問うていた。

「ねぇ。宇宙に果てはあるの」


「宇宙は拡張し続けているんだよ」

 川守かわもりが。


「えぇ。じゃ、追いつけないの」

 子供が、あせるように。


「君が追いついて、宇宙の果ての向こうに何があるか教えておくれ」 

 あでぃおーす。川守かわもりりは去って行った。



 という情景を見たという若君のお話。

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