【日々短編】S高校の生徒会は普通ではありません!

或る書生Yの備忘録

第1話 ことの始まり

爽やかな日差し、柔らかな風。

心地よい快晴である日に、心が休まらないなんて事例は、世界中どこを探したって無いだろう。


———今、この状況を除いては。


「君、生徒会に入らない?」

現在僕の前でそう言って笑みを浮かべているのは、このS高校の生徒会長、西園寺宙である。

問題なのはその「にっこり」という言葉を絵に描いたような極上の笑みでは無い。

目が笑っていないのである。

そう、つまり。


「もしかして宙くん、あなたは僕を脅迫なさっていますか?」

「うん!」


潔すぎる肯定、このザマである。

そもそもこの学校で、生徒会はスカウトを認めていない。

生徒会のことを一介の部活だと勘違いでもしているのだろうか。


「残念ですが、そのお話はお受けできませ…」

「うんうん!君なら引き受けてくれると思ったよ!じゃあ早速ついてきてくれるかな」


聞いちゃいないのだ、この人は。


「これからよろしくね。新田新くん?」


僕はその言葉に、ただ頷くことしか許されていないのであった。

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