第2話 花
両親を、車の後ろに乗せて運転していた。
父が言った。
「その先の、バラの看板の見える信号の前を、右折や」
「……バラの看板て、どこ?」
と、私。
「あの、でかいバラの看板が見えへんのか?」
と、父。
「ええっ……でかいバラの看板? どれやろ」
「おまえ、目ぇ悪ぅなっとるんちゃうか?
あんなでかい看板が、見えへんとは」
後ろから母が、私の肩をつついて、言った。
「バラちゃう、あれは、ひまわり、やしな」
目の前には、保険会社のひまわりの看板がデカデカと……
右折は、間に合わなかった。
私の父は、クセモノ! である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます