ENDの物語
野々村のら
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薄暗い裏路地を、彼は歩いていた。
まだ若い男である。しかし、その目は闇よりも暗い。歩き方がぎこちないと思えば、彼の右足は義足のようだった。
時折通り過ぎる人や猫に目もくれず、ゆっくりと何かに向かって歩いている。しかし彼は何を思ったのか、いきなり足を止めた。かぼそい猫の鳴き声がする。彼は上を見上げて、眩しそうに目を細めた。
薄暗いこちらの景色とは対照的な高層ビルが、眩しいほどの輝きを放って立ち並んでいた。
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