第2話 ここはどこ?
徳子が回転し始めたのを見て、
「回ってるぞあいつ、あ!」
そのまま姿が消えました。4人は、気のせいじゃね?と思いましたが4人全員が幻を見るはずもなく、警察へ届けました。結局徳子はそのまま行方不明となってしまいました。
「う、うーーーん。まだ目が回ってるだわさ。なんだったんだあの地震。きっと震度7位あったよね?大きな地震だと回るなんて事あるんだ、うん、勉強になった」
相変わらず独り言がうるさい徳子ですが、周囲の景色が変わっています。あれ?駅に向かっていたよね私。
見たことのない高めのビル群があったような建物達、整備されていたであろう道路。何かで見た未来都市のような感じです。ですがだいぶ風化しているというかゴーストタウンみたいな印象です。人の気配はありません。空気はどんよりしていて空は曇っています。昼間なのに空気が重く感じます。
「うーん、これはどういう事かな?地震で自身が回って異世界転移、てか。いやいやナイナイ。何にしても誰かいないのかな?おーい、どなたかいらっしゃいませんかー!」
返事がない。徳子は歩いてみることにしました。ビルは殆どが崩壊しています。地面らしき物は見えない。地割れしたアスファルトの道路の割れ目からは見たことの無い草というか木?が生えている。
「ジャングルの木みたいに逞しさを感じる植物ね。ブブッて見るか?」
徳子は携帯を見ました。充電は翔太郎の家でしてきたので満タンです。電波は…………、きてない。
「電波なかったら検索できないじゃん、てあれ?出た、どういうこと?」
検索エンジンが作動しました。ブーブルではなく見たこともない画面です。TOKUTOKUと出ています。謎の植物の写真を撮って検索してみました。
「何が出る?おお、出た出た。えーと、グルグルローザニウム。何じゃそりゃ?」
『グルグルローザニウム。元は薔薇。ガンマー線を浴びた時に遺伝子が変異した放射線変異型植物。生命力が強く切っても再生するが、2m以上の大きさにはならない』
放射線。そうか、SFでよくあるやつだわさ。放射能浴びて強くなるってやつ。元は薔薇だからローザニウムなんだ。グルグルって蔦がグルグル回ってるからかな。ネームセンスないね。
「さて、放射能って事はこの世界は異世界で核戦争でもあったって事かな。て、あたいは今どこにいるんだい?」
徳子は仕方なく歩き始めました。どこにも人の気配はありません。2時間ほど歩き回って疲れてしまい、道端に座って休みます。そこでふと思いつきました。
「さっきの検索エンジンでこの世界のこと調べりゃいいじゃんね。もう何で早く気がつかないんだろ?徳子のバカバカ。なんてね。さて、試しに何調べるか。そうだ、ここはどこ?」
『日本です』
…………………………、そうか、日本か。って日本かよ、見た事ないぞこんなところ。そうだ、異世界にも日本ていう地名があるんだよ。なんかよくあるじゃん、異世界もので違う作者が書いているのに国の名前が同じやつ。ユグドラなんとかとかと一緒だね。
「私は誰?」
おっとノリで変な質問しちまったぜ?お茶目な徳子さんだね。
『北条徳子です』
えええええっと、このブーブルじゃないTOKUTOKUってのすんげえアッタマいいじゃん。ええーとwhereとwhoを聞いたわよね。何だっけ?そうそう5wなんとか。あとは、………、whenだ!変じゃないよ。when!
「今は西暦何年?」
『1万飛んで22年です』
飛ぶのね、そこで。日本人ぽい表現よね。で、飛んじゃったのを戻すと、10022年かあ、ふうん。えええええ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます