第2話 無属性

ミア「え、む、無属性!?」

鑑定士「は、はい…」

グラン(ま、マジかよ…)


この世界ではほぼ全ての人間が属性を持っている、しかし稀に属性を持たずに産まれてくる者もいる。

それが無属性である。世界的に見ても1割以下の人間しか無属性はいない。

彼はこの世の終わりのような顔をしていた。


帰り道、馬車の中でルイスも顔をしかめ、ミアも言葉が出てこない。

重い空気が流れていた、双子の弟妹はスヤスヤ寝ているがその光景に微笑ましさを感じる余裕もない。


ミア「グラン…可哀想に…」

ルイス「たとえ無属性でも、お前は私達の子供だなんとかしてみせるぞ。」

その言葉にグランは意外性を感じていた

グラン「僕を見捨てないんですか?」

ルイス「そんなことするものか!」

ミア「そうよ!貴方は私達の家族よ!」

グラン(驚いた、正直こういうのって実家から追い出されるパターンとかそういうのだと思ってたけど…)


なんとかしようと頭を悩ませる二人を見てグランはあることを決意する。


グラン(属性関係無しに俺は元々強くなるための方法を考えてたんだ、今更関係ない!それにそのほうが強くなりがいがある!彼に並び立つ為にも)

グラン「父様、母様。」

ルイス「なんだ?グラン。」

グラン「俺、修行します。」

ミア「しゅ、修行?」

グラン「はい、修行して強くなって無属性って事が関係無くなるくらい凄くなって見せます!」

ルイス「だ、だがそんなに簡単なことでは。」

グラン「無属性となった以上仕方ないです、だから強くなる、それしか俺には残されてません、誰にも舐められないように誰よりも強く、そしてプリズム学園に入りたい。」


プリズム魔法学園 ゲームの舞台となるゲヘナール王国の国立の魔法学校

15歳になる主人公はこの学園に入学してゲームがスタートする。

入学には当然試験があり国立、しかも王国きっての名門となればその倍率は跳ね上がる。

無属性ともなれば試験合格は絶望的だ。


ルイス「プリズム学園か…確かに無属性だから受験が出来ないというわけではないが、ほぼ不可能に近いと言われているのだぞ、それをわかったいるのか?」

グラン「強くなる方法はある程度考えています。どうか信じてください。」


曇りなき眼で彼は父親を見つめる。

ルイスがしばらく悩むと。


ルイス「…わかった」

ミア「あなた!?」

ルイス「ミア、この子信じてみないか?この子は確かに無属性だが、それでも今諦めないでいようとしてる。それを潰すのは残酷だ。」

ミア「…わかったわ」

ルイス「グラン、お前の覚悟はわかった、だがそれを言った以上弱音は許さないわかるな?」

グラン「はい。」

ルイス「ならばやってみよ!我が息子グラン!残り12年の修行で合格してみせるのだ!」

グラン「はい!」


ここからグラン·デストリカ12年の地獄の鍛錬の日々が幕をあける。




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