第6話 シェスカの実力
俺は、シェスカと数合打ち合ってすぐに地面に倒されてしまった。
Information
スキル:剣術 Lv.01→Lv.02
この短時間で剣術のスキルが上がってしまった。やはり、格上と戦うと上がりやすいのかな。相手を倒したわけじゃないから、自分自身のレベルは上がってないみたいだ。
「いいね! ルフレは剣の才能あると思うよ? この調子だとすぐに上手くなるんじゃないかな?」
「そうだと、いいんだが。」
「今ので結構ルフレの性格もわかったし、これから練習に入ろうか!」
俺はその後、2時間くらいシェスカにみっちりと教えられ終わった頃には3時を少し回っており、剣術のレベルは5に、筋力アップのおかげなのか自身のレベルは3に上がっていた。これはきつい、高校の時の部活を思い出す。
「いきなり飛ばしすぎだろ」
「そうかな? なんか、ルフレならついて来れそう!と思ったからついついレベル上げちゃった。ごめんね? けどついて来れたじゃない。そこらへんの岸よりは強くなってると思うよ?」
「そうなのか……。これはもう今日は動けそうにないな。」
「あんだけやったらねー、今日はもう休みなよ。マスターに言えばここ使わしてもらえると思うよ?」
「そうするよ」
そう言って、俺とシェスカは修練場を後にした。
「お疲れ様でした。いい修練ができたようですね。これからも言っていただければいつでも修練場はお貸ししますので、気軽にご利用ください。都合が合えば私も修練のお付き合いをさせていただきます。」
「ほらね? マスターは強いよ! 私もマスターに鍛えてもらったの。ぜひ鍛えてもらうといいわ」
「そうだな。その時はお願いする」
「喜んでお付き合いさせていただきます」
そうして、俺とシェスカはカフェを出て街を歩いている。お昼が少し回ったくらいの時間帯なので、まだ人通りが多い。日差しがぽかぽかしていて気持ちがいい。
「暖かくなってきたよね。こんな日は昼寝がしたくなるよ」
「間違いないな、けど俺は今はもう宿に帰って寝たい気分だよ」
「あはは、私はちょっと丘の上に行こうかな。私の好きなお昼寝スポットがあるんだよ!」
「それは俺も興味あるな、ついていっていいか?」
「いいね! 歓迎するよ! 一緒に行こう!」
「ありがとう! 案内してくれるか?」
「もちろん! ここからちょっと歩くけど、景色もいいし気持ちいいよ!」
俺たちは街のはずれにある丘へと足を向けた。丘へと行くまでの間に、たくさんの人たちがシェスカに声をかけていた。
「シェスカ姉ちゃん! こんにちは!」
「嬢ちゃん、またうちのの店にも寄っとくれよ!」
「シェスカちゃん、今日も元気がいいね!」
「シェスカ! 今度また手合わせしてくれ!」
そういったさまざまな声がかけられ、その一つ一つに愛想よく返事をしていた。
「君は、この街の人に愛されているんだな」
「ありがたいと思っているわ。いつもここに来ると温かい気持ちになる」
「そういうところがあるって大事なことだ。とてもいいと思う」
「そうね、ありがとう! ほら! ついた!」
シェスカが指差した方向をみると、頂上に大きな杉の木が生えた丘が見えた。
「立派な木だな」
「そうでしょ! あそこの日陰で寝るのがものすごく気持ちいいんだよー、さぁ、早く行こう!」
そうして、俺たちは木の下にいき、寝転んだ。
「これは、気持ちいな」
「でしょでしょ! ほんとに気持ちがいいんだよ! ルフレはよく昼寝とかするの? ルフレ? あれ? もう寝たの? 早くない? 仕方ないなぁ。じゃあ私も!」
そうして俺とシェスカは夕方くらいまで寝ていた。
「ふわぁ、よく寝たな。シェスカは、まだ寝てるか」
俺が隣を見ると、そこには小さな寝息を立てながら寝ている。
「起こしちゃ悪いな。起きるまで待ってようか」
ステータスの整理でもしよう。
「オープン」
ーSTATUSー
NAME :ルフレ Lv.03
RACE :ヒューマン
JOB :??????
RANK : E
SKIL : アイテムボックス サーチ Lv.01
神眼 剣術 Lv.05
まだ開始二日目なのに、剣術がのレベルが5まで上がってしまった。こんなにかんたんでいいのかな? まあ上がってしまったもんは仕方ない、割り切ろう。
それにしても、今日は色々あったな。スライムの依頼を受けようと思っていたのに、いきなりSランク武器を手に入れて、近衛騎士団長に出会い。剣術まで獲得してしまった。けどなかなかに非現実感があってよかったな、ゲームって楽しいや。
「あれ? ルフレもう起きてたの?」
「ああ、おはよう。いやこの時間だし、おそようか? 気持ちがよかった。とてもスッキリしたよ」
「よかった。ルフレに満足いただけたようで何より! もうこんな時間! 帰ろうか」
「そうだな」
『帰る』
ヴィヴィからもまだ眠そうな念話が送られてきた。
「もう夕方だね。いい休日だったよ」
「そうだな、とても充実した1日だった」
他愛無い会話をしないがら俺とシェスカは帰路についた。すると、
「きゃあ!」
10m先で人混みから大通りに弾き出された子供が転んでいるのが見えた。すぐ後ろから、馬車が迫っている。直後、俺の横から爆風が発生した。シェスカが子供を助けに走り出したのだ。速すぎ。
「大丈夫?」
「ありがとうお姉ちゃん」
実力が垣間見えた気がするな。さすが、あれは6年で近衛騎士団長になれるわ。
すぐに子供は親が迎えにきて引き取られていった。
「すごかったな。気づいたらもう子供の目の前だったじゃないか」
「いやぁ、あはは。私も勝手に体が動いてて。助けられてよかったよ」
「流石、近衛騎士団長様だな」
「ちょっと! いじらないで!」
俺がいじるとシェスカは頬を膨らましてそっぽを向いてしまった。
「すまない、悪気はないんだ。許してくれ」
「もー、次はないからね! じゃあ、私はここで、ちょっと騎士団のところに寄っていかないといけないから。また会えるといいね!」
「ああ、今日は1日ありがとう。今度会った時飯でも奢らせてくれ」
「それは、期待していいのかな? ありがたく食べさせてもらうよ! じゃあね!」
そういって、シェスカは王城の方へと歩いて行った。
「じゃあヴィヴィ、俺たちも帰るか」
『ん、まだ眠い、帰って寝たい』
俺たちもまた、精霊の止まり木へと足を向けたのだった。
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