第69話 家庭教師、終了!!



「よし!今日は帰るか!」


「……………………」


オイオイオイ、なんでそんな顔をしているんだ?アイリーン?

今日はとてつもなく良い日じゃないか!


最高!最高!最高!最高!


「……なんで、嘘ついたの?」


「あれは嘘なんかじゃない。ホントにお前が倒したんだぞ?知らなかったのか?」


「でも、私のレベルは上がってなかったもん!」


……ああ、意外と賢いんだな。もっと馬鹿だと思ってた。


「……それは、俺がトドメを刺したからだよ。お前、相手を殺すギリギリで気を失ったからな……あれはしんどかったぞ?」


「…………」


……やっぱり、信じないか?


「……分かった」


「お、分かってくれたか?」



……ああ、まだ完全に信じ切ってないって感じだな。


でも、良い。アイリーンの家族には「アイリーンが倒しました」って知らせが行っているはずだからな。


俺はそう考えていると後ろから、ビートがやってきた。


「……そろそろ帰りましょうか」


「おう!」


「……うん」


オイオイ、元気出せよアイリーン!もっと熱くなれよ!


「それと、アイリーンのお父さんから連絡がありましてね……『今日、帰りにウチによってけ』……だそうです」


ほうほう、なんのお話かな?もしかして家庭教師についての話かな?


まぁ、何にせよ行かなくちゃいけないならな……


ホント、勘弁してほしいよ。いくら治療をしてもらったといえ、アバラ数本折れているから完全には治っていない。流石に死ぬて。


「……それじゃあ行くか」


いざ!アイリーン宅へ!


俺はアイリーンの家に行くまで、ずっと寝ていた。





ーーーーー





「……様……ン様…………レオン様!」


「うぅ…………ここは?」


どこなんだ?


「……寝ぼけているんですか?……もう着きましたよ、アイリーンの家まで」


おお、もうついたのか!……俺、ずっと寝ていたようだな。もう、外が真っ暗だし。


「レオン!早く!」


おお、アイリーンが活発になったな。時間が経ったからか?


……これから起こるかもしれない事でアイリーンが意気消沈しなければいいが…………


「よし、行こうかビート」


「はい」


俺はアイリーン宅へと足を踏み入れた。


「……ん?誰も居ないな?」


なんでだ?何時もなら使用人ぐらいは出迎えに来てくれるのに……


「……ビュフ〜?サトリ〜?グッファル〜?母上〜?父上〜?どこなんだ〜?」


アイリーンもおかしいと思ったのか、使用人らしき人の名前と母、父を呼んでいた。


アイリーンもおかしいと思ってる…………もしかして、ここの一家になにか起こったのか?


「母上〜!!父上〜!!どこなんですか〜!!?」


アイリーンもとうとう、大声で叫びだし、今にも泣きそうになっている。

流石に可哀想だな……そろそろタネバラシにしてもらおうか。


「…………そろそろ出てきたらどうですか?


「……あちゃ〜、レオン君にはバレてたか…………」


そりゃあそうでしょ。伊達に最高峰の暗殺者の訓練を受けていたわけではないんですよ。


俺はそんな事を思っているスキに、部屋に明かりが付いた。


「「………………優勝おめでとう!アイリーン!!」」


「―――――ッ!!!…………ありがとう!母上!父上!」


アイリーンはとうとう、泣き出して母親に抱きついた。


「……あらぁ、俺には抱きついてくれないのね…………」


「……そりゃあそうでしょ。やっぱり、子供は父親より母親を選ぶんですよ」


母親は父親より、包容感があるからな…………仕方がない。それがこの世の定理なのだ。


「……お祝いはこれぐらいにして……そろそろちゃんとした話をしようか」


アイリーンのお父さんがそう言い出すと、場はシーンとなった。


……そういえばアイリーンのお父さんの名前知らないな…………まぁいっか。


「アイリーン、レオン君。一つ、君たちに伝えなくちゃいけないことがある」


「「……なんですか?」」


……もしかして?


「……アイリーンはオーガを倒せるようになるまで成長した…………だからレオン君には、家庭教師を一旦辞めてもらおうと思う。勝手でごめんね」


「そんなの「大丈夫ですよ!お金は元々充分にありますので!」…………」


俺はアイリーンが反抗の声をあげるのに、わざと重ねて喋った。

流石に俺が了承すると、アイリーンも反発しずらいだろう。


「だめだよ!私はオーガを倒してないんだもん!」


チッ、アイリーン。変なこと言いやがって!……まぁ、本当は倒したの僕なんですけどね。


「……でも、自分が絶対に倒してない確証は無いんだろう?」


「――――――ッ!!…………」


そうだ。アイリーンは突然、オーガに殴られて気絶している。その間にアイリーンがオーガを倒したって事にしても疑問は残るが、少し納得できるところもある。


だから完全に否定は出来ないのだ。


「…………その事でレオン君に質問がる」


「……なんですか?」


「…………本当にウチの娘がオーガを倒したんだね?」


アイリーンのお父さんがものすごい覇気を出して言った。


……流石力量でのし上がっていった家のトップだけあるな。そこらへんの者と格が違う。

普通、こんな所で嘘は付けないだろう。


………………でもなぁ……俺は見てきたんだよ。あんたぐらいの奴の覇気を。

頭領、イオさん、ケイン、そしてエレン。

この四人は完全に規格外だった。


その覇気を見たら、ちょっとやそっとの事で怯えなくなってくる。


「……はい。アイリーンがオーガを倒しました」


「そうか。それなら……家庭教師を今日限りで、辞めてもらう」


「わかりました」


よっしゃ〜!家庭教師を辞めれるぜ!


「それじゃあ、俺たちはこれで……」


「お邪魔しました」


俺はビートはルンルンで家に帰った。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


よし!第三章終了!!……って言いたい所ですが、後一話だけ、挟ませてもらいます!でも、お話じゃないですよ?設定見たいな感じです。


でもめっちゃ面白い事、興味深い所、作品では触れてない所が書かれています!ぜひ見てください。


…………その設定資料集が終わったら、後は、暗黒の準学校時代に突入です。あんまり書くことが無いので、多分第四章はすぐ終わります。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る