第二節 出会い
第11話 初めての交流
Qまず異世界に来てから何をするか?
正解は………
冒険者ギルドに行く、でした〜!
「10歳以下のお子さんは冒険者登録できません」
「え、」
ですよね〜!そうですよね〜!
そりゃ一歳が冒険者登録できるはずがないと思っていましたよ!
冒険者ギルドに行くのにこの体だと昼間でかかったんだが?
………仕方がない。市場で買い食いでもするか。
ーーーーー
「おっちゃん、リンゴパイ二個」
「はいよ………って子供じゃねぇか!」
「子供が買いに来ることなど珍しくないと思うが?」
「お前みたいなちっちゃい子供が買いに来るわけないだろ!」
「ちっちゃいって失礼な!こちとら一歳だぞ」
「想像よりちっちゃかったよ!」
そうか、普通一歳が買いに来るわけがないか……
「おかしいだろ全く……まぁ、その年じゃ色々なことをするのにも大変だろう?珍しいものを見せてくれた礼に、なにかあったら俺に相談しにこい」
「おっちゃんに相談してなにかいいことがあるのか?」
失礼だがおっちゃんは屋台の店主以外には見えないぞ?
「サラッと酷いこと言ったな……まあいい、俺はなぁ、ここらへん一帯の商業キルドマスターなんだ!」
「おっさん。かまってほしいからって嘘は良くないよ。」
そんな嘘つかなくてもかまってあげるから………
「嘘じゃねぇ!これが証拠だ!」
こ、これは本で見たぞ!
まさか本物だったとは……
「おっちゃんそれ、本物なんだね?」
「おう!」
「じゃあその権限を使って、特別に俺を冒険者にさせてもらうことって……」
「無理だな」
「チッ、使えねぇ」
結局使えないおっさんじゃねえか。
「使えなくないわ!……いくら商業ギルドマスターだからって冒険者ギルドのルールを変えられないんだ。分かってくれ………代わりと言ってはなんだがお前がいっても大事にはならない店を紹介してやるから」
「そうだな、ありがとう。俺も無茶言い過ぎたな。悪かった。」
「小僧が優しくなった!」
なんで驚いってんだよ!まだ出会って一時間も経ってないだろ!
「失礼な……それとな、俺の名前はレオンだ」
「そうか!じゃあレオン、これからよろしくな!」
「おう!」
これで商業ギルドマスターとのパイプが繋がった。
……よーく考えたら外出初日からすごいことしてない?
暇だな〜…………よし、この街のこを何も知らないし、色々見て回ってみるか。
ーーーーー
一軒目
カランコロンカラン
「いらっしゃいませ……って赤ちゃんじゃない!?」
一軒目失敗
ーーーーー
二軒目
からんころんからん
「好きなの見てってね……ってヤバ!あなたこっちにきて!赤ちゃんが一人でお店に来たわよ!」
二軒目失敗
ーーーーー
三軒目
ピーンポーン
「あらお兄さんいいことしましょ♡ってキャァァ!赤ちゃんよ!」
………これはこういう店に来たおれが悪かった。
はぁ。やっぱり赤ちゃんだとまともに店に入れないな。
……仕方がない。おっちゃんが勧めてくれた店に行くか。
ーーーーー
な、なんだこの家は!
もう家と言っていいのかわからないほどボロボロじゃないか!
………ここ本当にまともな店なのか?
まぁいい、入ってみよう。
「ご、ごめんくさだい」
バゴォーン!
「うわ!」
何が起きた!?
「イテテ、薬の調節をミスってしまったか………おや!?もしかしてお客様じゃありませんか!?」
……改めてだが、本当に大丈夫なのかこの店?
「失礼失礼、お客さんの前で失礼なことをしてしまって。……申し遅れました!私の名前はスコット!気軽にスコットと呼んでください!」
「はじめましてスコット。……ところで、スコットはなにを作っていたんだ?」
「それはですね、とある薬を作っていたのです」
「薬?」
なんの薬だ?◯麻か?覚◯剤か?
「この薬の名前は、薬品γ!身体能力の成長をすっごく促進するすぐれものです!」
身体能力の成長を促進!?すごい効果の薬じゃないか!
「でもこの薬には副作用がありましてねぇ……」
「副作用?」
どんな副作用だ?体が溶けるのか?体が発火するのか?
「副作用は二つありまして………一つ!レベルが上がらない!二つ!激しい痛みで精神が崩壊する!この二つです。この世界はレベルが大切ですから、レベルが上がらない薬なんて飲みたくないんですよね」
鬼畜すぎるだろその副作用!
レベルが上がらないって何?そんなん無理に決まってるじゃん!?
しかも精神が崩壊するとかレベルが上がらない以前の問題じゃないか!
ん?待てよ?レベルが上がらない?精神が崩壊する?
今の俺はスキル『努力』のせいでレベルが上がらない。
しかも今の俺は精神力が異常なほどある。
あれ?この薬ほどピッタリなもの逆になくないか?
「スコット!この薬をくれ!」
「ほんとに買うのかい?もう一度言うけどこの薬の副作用はレベルが上がらない、精神が崩壊するだよ?子供だからレベルが上がらないのはいいとして、精神が崩壊するのは非常に危険だよ?」
「それは………」
俺はレベルが上がらないこと、『精神力』が異常なほどにあることを話した。
「なるほど、そういうことだったのね。………だったら君にこの薬をタダであげよう!」
「いいのか?」
「勿論さ!この薬は副作用のせいで全然売れなくてね。誰かにもらってほしいところだったのさ!」
「ありがとう!」
そういうことだったら有り難くもらっていくぜ。
「でも、この薬はできるだけここで飲んだほうがいい。子供が家に変な薬を持って帰って来たらだめだろう?」
そりゃそうだな。スコットの言うとうりだ。
「じゃあここで飲むとしよう。いただきま〜す」
ゴクッ。
「うっ………」
なんだこれ?MPをカラにした時よりも断然しんどいぞ。
「バカ!その薬は水に溶かして飲むんだぞ!」
それを、早く言ってくれよ………
ーーーーー
「うっ、ここは?」
確か俺はスコットの店に来て、変な薬を飲んで………
「やっと気がついたかい?君五時間ぐらい寝ていたんだよ?」
四時間か………四時間!?もう帰らなくちゃいけないじゃないか!
「すまないスコット!もう帰る!」
「ちょっと待って!帰る前にいい人紹介してあげる!」
いい人?俺にはまだお見合いは早いぞ?
「そいつはイオって言うんだ。君はレベルが上がらないだろ?だから体を鍛えたほうがいいと思ってね。多分そいつはうってつけだよ」
あ〜、そゆことね。
「ありがとうスコット!」
「おう、また来てね!」
俺は走ってスコットの店を後にした。
……………家に帰った俺が使用人達ひ怒られたのは言うまでもないだろう。
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