psycho-battle

@darefumi

Chapter 1 Lost my jobs

第1話 淡麗

俺の名前はレン・ボルタ

とある医療業界で働いている。と言っても会社は小さい中小企業。仕事はほぼ請負。毎日会社に行っては言われた業務をこなす日々。前は派遣で働いていたのだが、今は派遣から引き抜いてもらって企業のプロジェクトに参加している。プロジェクトの内容はあまり知らされていないが、特に知りたくもない。なんでも脳の成分を変えると起こる現象について調べているらしい。


会社ではとにかく言われたことをやっているし、言われたことはきっちりとこなしている。これまでもそうやってきたし、それ以上のことは考えることを止めている。昔はもっと意欲があった。自分で仕事を取ってくることもあった。しかしそれに何の意味があるだろう。


困るのは時間を持て余すことだ。退屈で仕方がない。そんな時は仕事のことを考えることがある。しかし何一つ形になることはない。そんなことを繰り返している。充実しているかと言われれば、充実していると答えるだろう。単調な日々の繰り返しだ。充実しているわけはない。


今は11月の中旬、朝から太陽が顔を出さない日が続いている。空全体に布を被せてあるかのように、空が重い。気候は少し肌寒く、時折冷たい雨が微弱に打ちつける。葉の落ちた木々の枝が風でなびいている。冬季うつという言葉が流行りだしたのはいつからだろう。それはちょうどこういう日に話題になることかもしれない。


毎日同じことの繰り返しである。いつもの帰り道を歩いて変える。スーパーに寄ってその日の晩メシを買う。家に帰ってサラダを作って食べる。ドレッシングはいつも同じものを使う。新鮮な魚を少し食べる。ワインを少し飲む。シャワーを浴びる。ニュースをチェックする。時間を使うというより、時間を潰すためにどう行動すればいいかを考えている。楽しいかと言われれば、楽しいと答えるだろう。単調な日々を繰り返しているだけだ。楽しいわけがない。

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