君は小波、僕は気まぐれ

小松加籟

プロローグ、扉

 金髪碧眼の女と黒髪の風姿のよい女が、その扉を開いた。

「御免下さい」

 作家の私は女二人を警戒した。女は、私の制止を構うことなく家に入って来た。

「何をしている?早く本題を言え。私の婚約者フィアンセは、一体こんな洒落た小細工に負けなかった」

 金髪は笑った。黒髪は、泣いているような、笑っているような、複雑な表情をした。

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