掌編エッセイ・「私の職業体験」

夢美瑠瑠

最初のアルバイト

 私はただの障碍者です。

 働いたこともありますが、だいたい失敗続きで、長続きしない。

 が、「働く」のはかなり特殊で、印象深い体験で、いろいろな思い出もあります…



 大学に入学して、同じ高校の出身の友人ができて、いろいろとアルバイトの口を紹介してくれたりしました。

 「ミスタードーナツ」というファストフードのお店が近くに開店したので、そこで働かないかと誘われて、面接に行った。

 若い男女が14、5人集まって、いろいろと説明を受けたりした。

 作っているドーナツの種類とか、調理その他のノウハウ、接客の心得、仕事のあらましのレクチャーを受けて、「実習?」というかロールプレイみたいなこともした。

 この時に僕は、「お愛想」というべきところで、焦って「おかんじょー」と口走ってしまって、女の子に笑われたりした。

 その時の女の子の笑顔を今でもありありと記憶している。こういうのを外傷体験のフラッシュバックというのかもしれないw

 

 他にはこの友人の紹介で「私塾の講師」もやった。

 ビルの一室で、中学生の生徒が10人弱いて、二時間ほど授業をする。

 テキストとかは無くて、かなり適当に自由裁量で、国語や英語を教えました。その時の生徒の人とかは、顔や個性もひとりひとりかなり細かく記憶している。いろんなエピソードもあって、働くということは人生経験という意味ではかなりコスパのいい?貴重で経験値の高い体験であるなあ?とここでも思います。

 北陸の雪深い街の中を、自転車を漕いで少し郊外の教室まで通勤した時の、夕間暮れの寂しい風情もありありと記憶している。


 「アルバイト話」には事欠かない。新聞配達もやったし、真夏に汗だくになってスイカの集荷工場で働いたこともある。でもどれも今となっては懐かしくて楽しい思い出です。

 

 今では働くのはもとより「生きる」こと自体が地獄のような苦役と化していて、全くの暗闇で、サルトルの小説ではないが、「出口なし」というような趣なのである。


 働けなくもないし、適格性とかが無いとか、そういうことでもない。クレペリン検査や職業適性検査とかでも成績は良い。


 あと、「適応障害」という問題があるだけですが、これはもう生まれ変わらないとしょうがないこととしか言いようがないw


<了>

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掌編エッセイ・「私の職業体験」 夢美瑠瑠 @joeyasushi

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