先生のはなし

三木田 出

第1話 プロローグ

 はじめまして、先生です。

 でもぼく、教師ではありません。

 塾講師の経験と、いま現在は学童保育(放課後等児童クラブ)の先生です。

 まぁ、可愛い子どもたちから「先生~」と呼ばれるお仕事です。

 数年前から始めた仕事ですが、やっと最近になって自分の一人称を「先生が…」とか言えるようになった次第です。

 最初は自分如きを「先生」なんて呼ぶことが恥ずかしくて、当然「ぼく」とか「わたし」、時にはイケメン(嘘)なんて呼ぶかい! でしたが、最近内心にも定着してきて、意外と便利に使っています。

 守備範囲は小学生です。

 長らく首都東京で、紳士淑女相手の仕事ばかりしていて、某地方都市へ移住と同時に探さなければならない仕事で当たったのが「先生」でした。

 いやー。子供相手の仕事がこんなにハードだとは思わなかった。自分、いや先生は未だ結婚も子育ても未経験でしたから。メンタル病みかけ?

 でも、可愛い子ばかりを可愛がり、それでなんとか苦境に耐えまくって生きてます。

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