罠師でどうやって戦えと？ ～そもそもうちのパーティー前衛職いねぇじゃねぇか……～

第1話 雑な始まりと雑な目的

　隕石で世界が滅んだところまでは、覚えてる。

　……だが、なぜ俺は森にいるのだろうか。全く持って思い出せない、そのあたりの記憶は一切ない。他の記憶を探ってみるが、こちらはしっかり覚えている。

　とりあえず何かないかと、ポケットを漁ってみると、中から一通の手紙が。

『こんにちは。貴方は死にました』

「いや文章構成おかしすぎ、ってか雑すぎだろ……」

　クッソ、『アイツ』のせいでツッコミ癖が……。ったく、続き読むか……。

『とりあえずここ異世界なので適当に能力与えておきます。ガンバ』

「……【悲報】神は全知全能じゃなかった」

　いや、神様いくら何でも文章力無さすぎだろ！？

『しょぼん』

「……なーんで手紙に一行追加されてるんですかねぇ！？」

　……まだ何かあるかと30秒ほど待ってみたが、一切なかった。

「……にしても、アイツも転生してるのか……？　見つかる確率は天文学的だろうが、一応探してみるか……」

　とりあえず、目的は大事。適当でも何でもいいからつけるのが大事。

　……まぁ、こうしてオレの異世界生活は余りにも雑にスタートしたのだった。